「友近サスペンス劇場」第2弾公開、和倉温泉で昭和風サスペンスがパワーアップ
「友近サスペンス劇場」第2弾公開、和倉温泉で昭和風サスペンスがパワーアップ

昭和風サスペンスドラマとしてYouTubeで2年前に配信され話題となった「友近サスペンス劇場」の第2弾が公開された。石川県七尾市の和倉温泉を舞台に、寝台特急「はつゆき」で起こる殺人事件を描き、早くも150万再生を超えている。

ストーリーと演出のこだわり

トラベルライターの黛京子(友近)とカメラマンの奥野茂(モグライダー・芝大輔)は、取材のため東京発金沢行き寝台特急「はつゆき」に乗車。同窓会ツアーに参加する男女7人と乗り合わせ、列車という閉鎖空間で不可解な事件に遭遇する。舞台は旅の目的地・七尾市和倉温泉に移り、ツアーのメンバーが次々と襲われる。

作中には、途中から見た視聴者のために「いったん、整理しましょう」と流れを振り返るシーンや、実在する企業の昭和風CM、VHSテープをビデオデッキに出し入れする演出など、懐かしの“あるある”が盛りだくさん。西井紘輝監督は、異なる画質で映像を重ねることで画質を落とし、列車の時刻表の整合性やメニュー表の小さなフランス語まで再現するなど、細部にまでこだわった。

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撮影の裏側とキャストの思い

撮影は今年4月、石川県七尾市・和倉温泉の旅館「のと楽」で行われた。ロケ地は2024年の能登半島地震からの復興途上にあり、旅館の目の前の七尾湾では護岸工事が行われていたが、満開の桜が観光客の姿も見られた。撮影では、現代的なオブジェを移動させるなど、昭和の雰囲気を重視した。

主要キャストは友近さん自らがオファーを主導。80年代の大映テレビのドラマで活躍した松居直美さんをはじめ、実力派がそろった。沖本勝役の中村繁之さんは「あの頃からいろいろ成長したのに、80年代の演技をあえてやらないといけない」と役作りを語り、半田一郎役の湯江タケユキさんは、サスペンスドラマの本職らしく、撮影中は「喫煙所をハシゴしたり、すごい夜遅くや朝早くに目撃情報があったり、犯人みたいな動きをして」いたと芝さんに暴露される場面もあった。

監督とキャストのインタビュー

西井監督は、平成生まれでありながら、80~90年代のサスペンスを第1弾の制作が決まってから見始めたという。「(友近さん主演の)『トラベルライター青木亜木子』を見て、“あるある”を勉強したり。僕にとっての2時間サスペンスの師は友近さんです」と語る。今作は“あるある”だけにとどまらず、「第1弾で見方をある程度共有できたので、第2弾はそれが本当に文化として根付くようなものにしたいと作り込みました」と話す。

友近さんは「思い描いてた同窓会ミステリーと列車が合わさった、自分で見たかった作品が仕上がりました」とコメント。芝さんは「純粋にめちゃくちゃ面白かった。(昔風の)CMや、VHSを再生したような演出もひっくるめて『これこれ!』というのが味わえました」と語る。カメラのフィルムを落とすシーンでは、「軌道や回転を何回も撮り直した」そうで、完成品を見て「どれでも良くない?って(笑)」と振り返った。

撮影中、友近さんは主演のためセリフが多く、打ち上げに参加する余裕がなかったという。「食べることが楽しくて、めっちゃ食べてました」と話し、夕食のシーンの前に地元のスーパーのお総菜を買い込んだが、「その前にお弁当も食べてましたよね?」と芝さんにツッコまれる場面もあった。

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京子と奥野の恋愛未満のやりとりも見どころの一つ。隙あらば好意をぶつける奥野をいなしつつ、ほかの女性に鼻の下を伸ばすと「んもうっ!」と不服そうな京子。友近さんは「奥野くんが京子をかわいい人だなって見てるのが、良いコンビになってるなって」、芝さんは「自分らでやっといてあれですけど、かわいらしいコンビですよね」と語る。続編について芝さんは「続きがあれば、深まってくるんじゃないかなぁ」と奥野風に言い、友近さんは「次は祭りをテーマにしたい」と提案。西井監督は「AIを使えばいけるかも」と意欲を見せる。

今作では昔の銀座の街並みや列車を動かすのにAIを活用。「最先端の技術を使って、古いことをする、ばかばかしさが面白い」と芝さんも後押しする。「2時間サスペンスの文化をもう一度根付かせたい」という西井監督の思いがこの先も実るかは、視聴者の応援次第だ。