詩吟教室、コロナで会員半減も「エンタメ化」で再起へ 伝統芸能の新たな挑戦
詩吟教室コロナで会員半減もエンタメ化で再起へ

「旦早流吟詠会は誕生から30年程度の若い流派です。2020年ごろまでは順調に拡大していたのですが、コロナで一気に会員が減ってしまいました……。実際、当時約80人いた会員は半減し、2026年現在では約40人にまで減少しています」

詩吟は腹から声を出す必要がある。飛沫対策が必須だったコロナ禍と最も相性が悪い存在だったといえるだろう。実際、当時は詩吟教室のための会場を貸してもらえなくなり、かなり活動に支障が出てしまった。

ビジネスは「トントン」、二刀流で乗り切る

順風満帆とはいえない教室運営。ビジネス面はどうなっているのだろうか? 率直な疑問をぶつけた。

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「実は、ビジネスという面ではトントンくらいなんです」

赤字になるほどではないが、大幅な黒字ともいえないというのが詩吟教室の現在地のようだ。約40人×月謝4000円+1年に一度昇段者の許証料が収益となる。ほかにも、年会費や教材費も発生するが、利益は発生していないそうだ。

詩吟教室とインテリアコーディネーターの二刀流で

実際、島田さんは、母でもある二代宗家・有坂さんの経営するリフォーム会社でインテリアコーディネーターとして活躍してきたという。そして、現在ではインテリアコーディネーターとして独立し、旦早流吟詠会の宗嗣(そうし)兼理事長との二刀流で活動されている。

「インテリアコーディネーターの仕事はお客様が求める部屋を生み出すものです。一方、詩吟では自分自身が主役となり、舞台の真ん中に立って詩を吟じる。仕事と詩吟でまったく違う立場になることが、人生のメリハリにもなっています」

一方、母の有坂さんはこう語る。「私はずっと自営でリフォーム会社を経営してきました」

旦早流吟詠会は本拠地を、有坂さんが経営するリフォーム会社のビルの2階に構えている。

文化を後世に残すために目指していること

会員減少の危機を受け、旦早流吟詠会は伝統芸能の「エンタメ化」による再起を模索している。詩吟の持つ本来の魅力を現代に合わせて発信し、若い世代にも親しみやすい形へと進化させることが目標だ。具体的な施策として、SNSを活用した動画配信や、他ジャンルとのコラボレーションイベントの開催などが検討されている。

「詩吟は決して古臭いものではありません。むしろ、声を出すことで心身の健康にも良い影響があります。もっと多くの人にその良さを知ってほしい」と島田さんは語る。

伝統芸能の存続は容易ではないが、柔軟な発想と二刀流の経営で、詩吟教室は新たな一歩を踏み出そうとしている。

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