漫画原作者の武論尊氏(本名、岡村善行)が、本宮ひろ志氏のプロダクション「本宮プロ」に入った当初のエピソードを語った。最初は資料集めを担当し、その資料のまとめ方が後の週刊少年ジャンプ編集長となる西村繁男氏の目に留まったという。
本宮氏の木刀エピソードは実話
本宮氏から「本宮プロにこないか」と声がかかった際、武論尊氏は「本宮は大先生なんで、揶揄することはなかなかできない」としつつも、自衛隊時代の話はできると述べた。特に、本宮氏が辞める際に先輩たちを木刀で追いかけたのは実話だと明かした。
「今まで自分をいじめ倒していた先輩たちに復讐するため」だったといい、「目が鋭いんですよ。普通に歩いてただけで『お前、ガンつけたな』って先輩にやられる」と当時の本宮氏の様子を振り返った。武論尊氏らは「お前は辞めるからいいけど、俺たちは残るんだよ。木刀で殴るのはやめてくれ」と押さえたといい、結局木刀は振るわないまま辞めていったという。
資料集めから作品『武蔵』へ
本宮プロ入り後、武論尊氏は資料集めを担当した。当時はインターネットがなかったため、図書館で宮本武蔵などに関する資料を集め、年表にまとめて注釈を加えた。この資料のまとめ方について、編集の西村繁男氏(後の週刊少年ジャンプ編集長)が「ああ、こいつ面白いな」と思っていたと後で聞いたという。
武蔵の生誕地を確かめるため岡山県まで1人で訪れたこともあり、「どんなところ?」と聞かれ「いや、山の中だよ」と答えたという。この経験は作品『武蔵』につながったが、「そんなにヒットしなかったかな。やっぱり『ジャンプ』的ではないですからね」と述べた。
アシスタントへの影響と退社のきっかけ
資料集めが終わるとやることがなくなり、「本当に百害あって一利なしぐらいの感じ」だったと振り返る。アシスタントたちが真面目に仕事をする中、自分は「ただぶらぶらしてて、たまに資料を調べてくるおじさんみたいな感じ」だったといい、朝から酒とマージャンの話ばかりしていたという。
「本当にアシスタントさんたちに悪い影響しか与えてないから、これは仕事を与えて追い出すしかねえな、っていう感じだったと思う」と語り、その後の転機につながったことを示唆した。



