タレントの王林(28)が、地元・青森の運行休止が決まっている鉄道の沿線で町おこしに奔走している。背景には、なじみのある鉄道への恩返しの思いがあった。沿線に店を出し「人生で1番お金を使った瞬間」と振り返るほどのプロジェクトに動いた。王林は10日までに、オリコンニュースの取材に応じ、その思いを明かした。
大鰐線の運行休止と王林の思い
大鰐(大鰐町)―中央弘前(弘前市)駅間の13.9キロを結ぶ弘南鉄道大鰐線。利用者の減少に伴い、2027年度末で運行を休止する。事実上の“廃線”となる。
沿線にある高校に通っていたという王林は「ずっと当たり前に見てきた駅がなくなるのをただ待つだけなのは悲しい」という思いで、町おこしのプロジェクトを始めることにした。地元の新聞でこのニュースを知り、すぐに鉄道会社に足を運んで直接話を聞いたという。「私1人では難しいことも多く、同じ思いを持つ方や仲間を探して何度も打ち合わせを重ねました」と振り返る。
駅内に2店舗をオープン
沿線の中央弘前駅内で店を出すことになった。7月25日に本格オープンしたのは、カフェ「57cafe」とまぜそば店「中央弘前混ぜそばセンター」の2店。「またあの場所にひとが集まり、列車に乗るきっかけになるよう、テイクアウトができるものや、リンゴにこだわったもの、内装はもとあるものを壊すことはせずに、あの場所をさらに魅力のあふれるよう考え、“青森感”“リンゴ感”がたっぷりの場所になるよう、とことんこだわりました」と話した。
自身のお金も捻出したといい「人生で1番お金を使った瞬間でした」と振り返る。「そこまでしてでも弘南鉄道大鰐線に私は魅力を感じている」と強調し、「なくなってしまう前に乗ったことのない方も乗ってもらえるような機会をつくれたらと思ってます」と意気込みを語る。
弘南鉄道の感謝と今後の展望
こうした王林の姿勢に、弘南鉄道は「さまざまな形で応援していただいていることを大変ありがたく思っています」と感謝。「特に、地域に根付いた大鰐線を何とか残していきたいという思いを持って活動していただいていることについては、私たちも大変心強く感じています」と伝えた。
運行休止は厳しい環境の中でやむを得ない状況だが、「王林さんをはじめ、大鰐線を残してほしいという声を寄せてくださる皆さまの思いは、私たちもしっかり受け止めています。長年にわたって大鰐線を支えてくださった皆さまへの感謝を忘れず、休止までの期間も安全運行に努め、地域の皆さまに愛されてきた鉄道として最後まで責任を持って運行していきたいと考えています」とした。
王林は「これまでは芸能活動を通して地域の活性化につながるように頑張ってきたけど、こうして自分の思いからプロジェクトを始動してたくさんの方の協力のおかげでまずは駅に2店舗を構えることができました。もっと青森の魅力を発信できるようにけっぱりたいです!」と意欲を語った。