米国の公民権運動指導者、ジェシー・ジャクソン師(Reverend Jesse Jackson)の追悼式で、バラク・オバマ(Barack Obama)元大統領のスピーチは師の大統領選出馬に移る。
活動家としての功績を称える
抜粋はまず、活動家としての取り組みを紹介する。ここでの「偏見」とは、街中での警察官による扱いや裁判の判決、刑務所での待遇など様々な場面でアフリカ系の人たちが不当な扱いを受けていたことを指すのだろう。改善されたであろうが、似た問題は現在も聞く。abuse は、権力やお金の悪用から言葉の暴力(verbal abuse)、薬品の乱用(drug abuse)まで常識の範囲を超えた使用を示す。the powers that be は直訳すると「存在する力」だ。政治に限らず企業などの組織で、意思決定者(機関)をあいまいに指す時に使われる表現だと英国出身の同僚は教えてくれた。
オバマ氏の当時の回想
次いでオバマ氏は、当時の自分や社会へと話を移す。「ジェシーが最初に大統領選に出馬した時、自分は大学を卒業したばかりでした。ニューヨークに住み、学生ローン返済のために働いていました」と述べた。当時のオバマ氏は、安い缶詰を食べたり、外食時はスープに入れるために出されるクラッカーを少し拝借して持ち帰ったりする、つましい生活だったという。ジャクソン師らによる社会正義実現の運動には触発されたと話すが、当時の人々はこの出馬には懐疑的だったようだ。
懐疑的な見方と後進への道
「当時、多くの人々が、申し訳ないことに多くのアフリカ系の人々も含め、ジェシーが大統領になる可能性はあまりないと考えていました。『彼はただ注目を浴びたいだけだ』『肌の色が同じ人しか彼に投票しない』などと指摘していました」と振り返る。black は日本語で「黒人」だが、場合によっては差別的な意味合いを含み、人により受け取り方も違うため、ここでは別の訳語を使うようにした。オバマ氏は、folks と親しみを込めた言葉も付け加える。今ではよく使われる頭文字が大文字の Black は、アフリカ系の人たちの誇りや敬意がこもったものだ。



