「やりたいことがわからない」「自分に自信が持てない」――こうした悩みを抱える人は少なくない。しかし、精神科医のTomy氏は、これらの感情を「ごく自然な状態」と捉え、むしろ無理に自信を持とうとすることがストレスの原因になると指摘する。
自信は後からついてくる副産物
Tomy氏によれば、毎日の生活にやるべきことがあり、それなりに充実している人ほど、自尊感情の高さをあまり気にしていない傾向があるという。ある研究では、「自信があるから行動できる」のではなく、「目の前の活動に集中し、没頭できている状態」が続くことで、結果的に自己評価が安定していくことが示されている。つまり、自信は先に作るものではなく、後からついてくる副産物のようなものだという。
自己肯定感が高い人の特徴
以前、ある女優との対談で自己肯定感の話題になった際、彼女は「自己肯定感について考えたこともない人が、一番自己肯定感が高い」と語った。Tomy氏はこの言葉を今でも覚えており、その通りだと感じている。
では、なぜ私たちは「自信がない」「自己肯定感が低い」と苦しむのか。それは、「自信を持たなければいけない」「自己肯定感が高くないといけない」という思い込みを強く持ってしまっているからだとTomy氏は分析する。この思い込みがあると、ふとした瞬間に自分を点検し始め、「私はちゃんと自信を持てているのだろうか」「まだ足りないんじゃないか」と問い続けることになり、不安が消えないという。
目の前のことに意識を向ける
Tomy氏は、いったんその考えを脇に置くことを提案する。自信があるかどうかは今日は考えず、その代わりに「今やっている仕事を少しでも楽しくするにはどうしよう」「今日1日をどう終えたら気持ちが軽くなるかな」と、目の前のことに意識を向けてみる。そうやって1日が終わっていくなら、自信があるかどうかは大きな問題ではなくなると述べている。
「自信がないな」と思いながらでも、仕事に向き合い、生活を回し、自分なりに工夫しようとする姿勢そのものが、すでに十分真面目で誠実な生き方だとTomy氏は強調する。自己肯定感をどうにかしようとするより、「それはさておき、今やることをやろう」と手を動かしていくこと。そのうち、自信のことは自然とどうでもよくなってくるという。
これらの考えは、Tomy氏の著書『人生迷子-立ち止まったときの処方箋-』(ワニブックス)でも詳しく紹介されている。



