地上に出ると日村は左右の様子を見てから、足速にその場を離れた。稔と真吉がぴたりと付いてくる。JR線のガードをくぐってから、日村は立ち止まった。誰もついてこないのを確認してから稔に言った。
「あの店は誰かの縄張りだ」
「あの店は誰かの縄張りだとか言ってたな」と日村が言うと、稔は「はい。つまり、宮川の背後に、さらに何者かいるということですね?」と応じた。日村は「そういうことだ」と認めた。
宮川の背後にいる何者か
「宮川がでかい顔してるのも、そいつのおかげということですね」と稔が続けると、日村は「それが何者か突きとめろ」と指示した。稔は「わかりました」と答えた。
真吉が「いやあ、それにしても……」と切り出し、「昔は日村さんみたいな人が来たら、散り散りになって逃げたもんですが……」と懐かしんだ。