東京湾大華火祭(東京湾大華火祭実行委員会・中央区・港区主催、朝日新聞社など後援)が24日午後5時半から、11年ぶりに開かれる。1988年に始まり、東京湾岸の「夏の風物詩」となっていた花火大会だが、今回は秋になった。なぜいま再開し、以前とは何が変わるのか。
コロナ禍に物価高騰、思わぬ壁を乗り越えて
前回は2015年8月。主会場だった晴海に東京五輪・パラリンピックの選手村をつくることになり、中央区は「数年間は休止」という方針を明らかにしていた。
中央区の平川康行・地域振興課長は「元々、休止から11年後の今年開催をめざしていたわけではないんです」と、想定よりも再開に時間がかかったとの認識を示す。20年からコロナ禍に見舞われたためだ。
「いつやるの」「再開するんでしょ」。コロナ禍が落ち着き始めた22年ごろから、再開を望む区民の声が届くようになった。区は開催に向けて22年、会場設置や警備の費用などの調査に着手した。
その結果、再開への一番の壁として浮かび上がったのが経費だった。物価高騰などにより、前回は4億円ほどだった経費が約8億円になる見通しであることが判明した。近隣自治体に共催を呼びかけたところ港区が応じ、両区の80周年記念事業として26年に開催することが決まった。
費用増えても期待できる経済効果
ただ、その後も経費は膨らみ、現在は約16億円を見込んでいる。それでも、主催者側は経済効果が経費を上回るとみている。06年の調査では周辺の飲食店やコンビニの売り上げ、遠方からの客の宿泊費などで、約74億円の効果があったという。
休止の間に、会場の条件も変わった。晴海の主会場は、選手村を経てマンション群「晴海フラッグ」となったこともあり、観覧会場での収容者数は前回の約16万9千人よりも少ない約11万人に。大会ホームページなどで「完全チケット制」とし、歩道などで立ち止まって見ることはできないと呼びかけている。
前回は8月、今回は10月開催に
開催月は8月から10月に移した。台風などによる中止を避けるため、比較的天候が安定している時期を選んだという。ただ、24日はあいにく雨が降る予報で、平川課長は「わくわくする気持ちの半面、実は心配であまり寝られない日々です」と気をもむ。荒天の場合は中止となるという。
花火の数は前回と同じ約1万2千発だ。幕開けは「尺5寸玉」と「尺玉」という巨大な花火の連打。前回のフィナーレと同じ内容だ。平川課長は「11年前からのつながりを感じ、『これこれ、東京湾はこれだよ』と思ってくれたら」と話す。
今回は中央区と港区の共催により再開にこぎ着けたが、次回以降は未定だ。中央区の平川課長は「今回の大華火祭が成功し、区民の支持を得られたら、来年度以降も開催したい」と話す。港区の担当者も「にぎわい創出や経済波及効果が見込める。来年度以降の共催も検討はしたい」としている。