将棋の若手棋戦「第16期加古川青流戦」の決勝三番勝負が10月11、12の両日、兵庫県加古川市の鶴林寺で行われ、今年4月にプロデビューしたばかりの小窪碧四段(21)が、棋士養成機関「奨励会」の鳥巣友希三段(23)に2連勝し、初優勝を達成した。
若手登竜門で2連勝
加古川青流戦は四段の棋士、奨励会三段の成績上位者、女流棋士2人、アマチュア3人によるトーナメント。過去に永瀬拓矢九段(34)や佐々木勇気八段(32)らが優勝しており、新人王戦と並んで若手の登竜門と位置づけられる。
11日午後に指された第1局は、後手番の小窪四段が四間飛車を採用し、108手で勝利。12日午前の第2局は、先手番の小窪四段が三間飛車を選び、109手で制した。2局とも両者持ち時間の1時間を使い切り、1分将棋に突入する熱戦だった。
表彰式でのコメント
12日午後に市内で行われた表彰式で、小窪四段は「1局目も2局目も研究将棋という形になって、どちらもよく分からないまま終盤に突入した感じ。なんとか2局とも制することができて、良かった」と話した。
準優勝の鳥巣三段は「今回の三番勝負は全体的に(自分が)無理をしたところを小窪四段にうまく咎められてしまったかなと思います」と振り返り、「この機会を糧にして、三段リーグを勝ち抜けるように頑張ります」と前を向いた。
S6メンバーとして存在感
日本将棋連盟専務理事の脇謙二九段(66)は「若者2人の熱戦で、手に汗握るような展開だった。小窪さんの振り飛車は終盤の切れ味が鋭いと感じた」と述べ、「鳥巣さんも粘り強く指し、最後までどちらが勝つか分からないような戦いだった」とたたえた。
さらに「加古川青流戦の決勝三番勝負に進んだ三段は何人かいるが、皆さん、その後、棋士になっておられます」と紹介し、プロになってから加古川青流戦で優勝した人もいることを挙げ、「鳥巣さんにも、ぜひ、そのような活躍を期待したい」とエールを送った。
小窪四段は、女性週刊誌の企画から誕生した若手棋士のユニット「S6」のメンバーの1人。他の5人は伊藤匠二冠(24)=叡王・王座=、上野裕寿六段(23)、吉池隆真四段(21)、齊藤優希四段(30)、山川泰熙四段(28)で、このうち加古川青流戦では上野六段が第14期、吉池四段が第15期で優勝。小窪四段は、S6が加古川青流戦で将棋も強いところを示した。