秋吉久美子さん、虚像も実像も所詮はその人「そんなにたいしたことでもない」
秋吉久美子さん「虚像も実像も所詮はその人」

女優の秋吉久美子さん(58)は、いつも肩の力が抜けています。28年前に出演したテレビドラマで、モデルとなった往年の名女優の人生をたどるうち、「虚像も実像も含めてその人にすぎない。そんなにたいしたことでもないのかな」という境地に達したからです。

意気に感じて出演

蒸し暑さが残る9月下旬の夜、東京・銀座。地下街にあるレトロなたたずまいの映画館「銀座シネパトス」前から、全力で走る秋吉さんの姿があった。来年3月に閉館が決まった同館を舞台にした映画「インターミッション」の撮影で、同館の館主役を演じた。

東日本大震災の影響で耐震性に問題が生じ、同館は取り壊しが決まった。最後の公開作品を有志たちで作ろうという機運が高まり、旧知の樋口尚文監督(50)からの誘いを意気に感じ、出演を即決した。

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9月は舞台「浮浪雲(はぐれぐも)」出演にかかりっきりだったため強行軍となり、「高熱にうなされていたから、よく覚えていないの」と笑い飛ばした。

妹の勧めで女優に

このように、芸能活動が40年となる現在も真摯(しんし)に役と向き合う日々だが、「転機となった作品はないけど、人生を語る上では、女優になったことそのものが転機かな」と言い切る。

静岡県に生まれ、父親の赴任先の徳島県を経て、福島県いわき市で青春時代を過ごした。高校時代に2歳下の妹とラジオの深夜番組を聴きながら勉強していると、松竹映画「旅の重さ」(昭和47年)のヒロイン役募集を耳にした。

妹の「お姉ちゃん、受けてみれば?」に「受けてみようかな」。主役の座はつかめなかったが、映画初出演が決まった。

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