北海道厚真町の浜厚真海岸で、国内トップ級サーファーが集う大会が2週続けて開かれている。2日までの「町長杯」は、日本サーフィン連盟(NSA)公認のアマ最高峰で道内初開催。7日からのプロツアーはアマも参戦でき、プロ資格も狙える。町は胆振東部地震からの復興に加え、大会の活気を追い風に、サーフィンの町として地域ブランド確立を目指す。
町長杯が最上級大会に昇格
町長杯最終日の2日午前、同海岸には「札幌」「湘南」「練馬」など全国各地のナンバーをつけた車が計2百数十台並んだ。沖合でゼッケンを着けたサーファーの一人が、高さ1.5メートル前後の波の頂点で鋭くターンを決めると、浜で見守る友人たちから「おっ、決めたっ」「ナイスライド」などの声が飛んだ。
2日まで3日間開かれた町長杯は今回、NSAによる3段階グレードの最上級「AAA」(トリプルA)に昇格した。年間王者を決めるランキングで下位大会に比べて大きな得点が狙えるとあって、国内外で活躍する日本のトップアマが集結。今回は道内勢約30人を含む約200人がしのぎを削った。
プロアマ「入れ替え戦」も
同海岸は、南に大きく開かれた天然の地形と、1980年代につくられた堤防などの相乗効果で、サーフィンに適した波が通年で押し寄せる。
トリプルAは、もともとサーフィンが盛んな神奈川県・湘南や東京五輪会場となった千葉県一宮町などの関東圏や、九州での開催が一般的だった。2018年に胆振東部地震で被災した厚真町は翌年、復興の一環で町長杯を始め、実績を重ねてランクを上げてきた。
トリプルA開催にこぎ着けたことについて、同町まちづくり推進課の宮下桂課長は「湘南や一宮に並ぶハイクオリティーなエリアということが全国のサーファーや関係者に認知された。道民にも可能性を感じてほしい」と意義を強調する。
さらに興味深いのは町長杯翌週の7日~9日に、日本プロサーフィン連盟(JPSA)主催のSリーグ下部「S2」の日程が組まれた点だ。トッププロだけの「S1」に対しS2はアマも参戦でき、一定の戦績を残せばその場でプロ資格が得られる。S1から降格し再昇格を目指すプロたちと真剣勝負する「入れ替え戦」が繰り広げられる。
町長杯で調子を上げたトップアマの一部約50人は、引き続き町に滞在。同じ浜厚真の波で練習を重ねつつ、プロの座をうかがう。「今夏の浜厚真は、若手の登竜門に位置づけられたのではないか」と宮下課長。関係者は道産子プロサーファー誕生に期待を寄せる。



