「戦艦武蔵」「破獄」など緻密な取材で知られる作家・吉村昭の業績をたたえる「三鷹市吉村昭書斎」は31日、書斎全体を特別公開する。没後20年の命日にあたる「悠遠忌」のためで、「書斎の中に足を踏み入れられる貴重な機会」という。
通常は非公開の書斎内部
1927年生まれの吉村は、66年に「星への旅」で太宰治賞を受賞。69年から2006年に亡くなるまで三鷹市井の頭に暮らし、執筆活動を続けた。施設は吉村の仕事場だった木造平屋の書斎を移築し、2年前にオープン。通常は玄関が締め切られ書斎内に入れないが、今回は天井まで埋め尽くされた書籍、机上の資料や愛用品など室内の様子をじっくり見ることができる。
イベントと企画展
31日は午前11時と午後3時、4時に学芸員が書斎について解説。「星への旅」の舞台となった岩手県田野畑村のアイスクリームを100個限定で販売する。同村は吉村が毎夏家族で訪れた憩いの地で、アイスクリームは吉村の大好物だった。来年1月まで「三鷹の作家・吉村昭と田野畑村」と題する企画展示も開催中で、10月には落語好きの吉村にちなみ柳家花いちさんを招き落語会を開催する。
学芸員のコメント
学芸員の野呂昭子さんは「吉村は戦争、歴史、医学、災害、動物など多彩な作品を発表してきた。震災やクマの被害など、時代ごとに読み直され、新しく読者を獲得している作家だ」と話している。開館時間は午前10時~午後5時半。書斎棟の入館料は100円、入館券付きのアイスクリームは456円。問い合わせは同施設(0422・26・7500)。



