将棋のプロ入りを決めた高校生と大学生が、それぞれの次の夢を語った。武蔵高3年の国井勝太さん(17)は「前例にない棋士になりたい」と意気込み、立教大法学部4年の渡辺晴磨さん(22)は「まずは順位戦を」と堅実な目標を掲げた。
三段リーグ最終戦で2人が四段昇格
棋士養成機関・奨励会の最高峰「三段リーグ」の最終戦が5日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、国井さんと渡辺さんの2人がプロ棋士となる「四段」への昇格を決めた。終局後の記者会見で、国井さんは「四段に上がると信じていた」と力強く話し、渡辺さんは「信じられない気持ち」と謙虚に語った。
将棋のプロになるには、奨励会で好成績を上げる必要がある。原則6級から成績に応じて階級が上がり、最高位の「三段」では年2回、それぞれ半年にわたって全18局のリーグ戦を行う。そこで上位2人に入れば棋士になれる。日本将棋連盟の現役棋士数は、4月1日現在で176人。女流棋士の数は含まれていない。
国井さん「将棋大賞と新人賞を総なめに」
国井さんは茨城県つくばみらい市出身。2019年に奨励会に入会し、25年4月から三段リーグに参加。今期は13勝5敗で2位となった。会見ではプロ初年度の目標を「9割勝つ」と掲げ、「将棋大賞と新人賞を総なめにしたい。できると思っています。冗談ではなく、本気の目標です」と語った。「高校生で棋士になったからには、タイトルを三つ、四つととっていかないといけない」とも述べた。
この日指した2局のうち1局目は敗れたが、最終戦は「負けの将棋だったが、気づいたら逆転していた。何が起きたか分からない感じだった」と振り返った。師匠の木村一基九段や、会見会場の後方で見守った同門の先輩棋士・高野智史六段に「高野先生にお世話になったおかげで、棋士になれました」と感謝の言葉を贈った。
渡辺さん「まずは順位戦を昇級したい」
渡辺さんは千葉県松戸市出身。石田和雄九段門下で、石田九段が指導する柏将棋センターに小学1年から通い、16年に奨励会へ入会。10年目の今年2月に三段へ昇格し、今期は初の三段リーグ参戦で14勝4敗の成績で1位となった。三段リーグを1期で抜けた棋士は少なく、快挙とされる。
会見では、プロ入りが決まった後に両親へ連絡したエピソードを披露し、「『まず柏(将棋センター)に連絡しなさい』と言われ、すぐに電話を切られた」と笑わせた。三段リーグを1期で抜けた先輩には、同センター出身の三枚堂達也七段がいる。「柏の道場の方にも1期抜けしてほしいと言われており、かなってうれしい」と笑みを見せた。
5日は2連勝したが、「2局目は途中まで負けの将棋で、昇段を諦めていた。勝ったときは信じられない気持ちでした」と振り返った。目標は「タイトルに挑戦できる棋士になりたい」としつつも、「遠い目標だとは分かっているので、まずは順位戦を昇級したい」と話した。



