冷たい飲み物で花火が色づくグラス 岐阜の陶器メーカーが開発
冷たい飲み物で花火が色づくグラス 岐阜の陶器メーカー

岐阜県多治見市の食器製造販売会社「丸モ高木陶器」が、冷たい飲み物を注ぐと色鮮やかな花火の絵が浮かび上がるグラスを開発した。温度を感知して色が変わる特殊なインキで絵付けが施されており、17度以下になると白く見えていた絵柄が色づき、常温に戻ると元の白い状態に戻るため、繰り返し変化を楽しめる。

職人による手作業の絵付け

絵付け作業は、職人が一つ一つ、温めたグラスに絵柄が印刷された転写紙を貼り、専用の窯で焼きつける。同社社長の高木正治さんは「バタフライピー(鮮やかな青色のハーブ)のお茶やコーラなど、色のついた飲み物を入れてみてください。絵の色がまた違って見えて楽しいですよ」と話す。

美濃焼の産地で生まれた新たな器

多治見市は美濃焼の産地として知られ、同社がある市之倉町地域は古くから杯の生産が盛んだった。山間の小さな集落で交通の便が悪かったため、少量の土で作れ、運びやすい杯の産地となり、明治時代には全国の杯の生産の大部分を占めたという。1887年(明治20年)創業の同社は、長年にわたり陶磁器やガラスの業務用食器を製造し、国内外に卸してきた。

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「これまでにない新たな器を作り、海外に日本の良さを伝えたい」という思いから、熱さや冷たさが見た目でわかる杯を考案。2018年には45度以上の熱い飲み物で桜が浮かび上がる磁器の杯を開発し、19年には冷たい飲み物で桜が現れる磁器の杯やグラスの販売を始めた。

コロナ禍で注目された「宅飲み」需要

当初は乾杯用グラスとして海外輸出を目指したが、コロナ禍で海外需要が消失。しかし、ステイホームで「宅飲み」する人々から注目され、2020年3月頃にSNSで話題となり、オンラインサイトで売り切れが続いた。高木さんは「日本人の心を華やかにさせるのが桜。ぱっと桜が浮かび上がる様子に、癒やされた人もいるのでは」と振り返る。

その後、花火や紅葉、富士山など日本らしい絵柄をあしらった「冷感シリーズ」を展開し、シャンパングラスや酒以外の飲み物にも使いやすいグラスなど品数を増やした。

音が鳴る杯も開発

昨年は、色が変わるだけでなく風鈴のような涼やかな音が鳴るガラスの杯の販売を開始。冷酒を注ぐと鮮やかに色づき、音は杯の内側にあるガラス玉が酒に浮き、玉を支える軸と当たることで生じる。色づきには花火や桜と同じ特殊インキが使われており、四季をイメージした4色がある。

高木さんは「伝統や和を大切にしながらも、新しい技術とかけ合わせて、今の暮らしに合った革新的な器を作り続けていきたい」と語る。

夏の食卓にガラス食器

ガラスの食器は夏の食卓を涼しく演出する。インテリアスタイリストのみつまともこさんは、パフェを提案。グラスに切った果物や割ったクッキー、アイスクリームを重ねるだけで完成し、直線的な形のグラスが扱いやすいという。「家にある普通のコップでも、かわいらしいパフェに仕上げることができます」と話す。

冷たいお茶と氷をガラスのポットに入れると結露ができて涼しげで、冷ややっこやきんぴらごぼうなどの定番おかずをガラスの器に入れるだけでも食卓が爽やかになる。ガラスの小鉢がなければグラスで代用でき、「小さめのグラスを複数持っておくと、いろいろ活用できるのでおすすめです」とアドバイスする。

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