アジア・アジアパラ大会2026 競技用車いすは「軽く、動きやすく」…提供メーカーに聞く
アジア・アジアパラ大会2026 競技用車いすは「軽く、動きやすく」…提供メーカーに聞く

パラ競技に欠かせない競技用車いすは、街中で目にする日常用の車いすとは違い、特にタイヤと地面との角度に特徴がある。製造、販売を手がけるオーエックスエンジニアリング(千葉市若葉区)広報室の櫻田太郎主任に競技用車いすの特徴などについて聞いた。

競技用車いすはオーダーメイド、完成まで8か月

日常用の車いすと競技用車いすの違いについて、櫻田主任は「製造過程が異なります。競技用車いすは基本的にはオーダーメイドで、タイヤと地面の角度など選手の希望を聞き取ってから作ります。日常用は1か月で完成するのに対して、競技用は8か月程度かかります」と説明する。

競技ごとに形状は異なる。タイヤの角度は、陸上競技用は11度前後、バスケットボール、バドミントン用では18度前後、テニス用では20度前後。陸上競技では、真っすぐ走らせるため、力を入れやすく抵抗が少なくなるよう、角度を抑えめに、残る3競技は向きを変える動きが多いので動きやすいよう、角度を大きくしているという。

軽さが勝負を左右、バドミントン用は後ろにキャスター2個

角度以外の違いについて、櫻田主任は「基本的には軽いものが好まれます。陸上競技の場合、長距離であれば流れの中で駆け引きがあり、重いと勝負で負けてしまうこともあります。また、テニスやバドミントンのように、止まったり、動いたりする動作が多い競技になると重さの影響が大きくなります」と話す。バドミントンでは、体重をかけるプレーで安定して動けるように、後ろにキャスターが2個つく。

乗り換えの頻度については「選手によりますが、満足してもらえればあまり変えないことが多いです。消耗度合いにも関係しますが更新するのは1、2年に1度くらいです。大きな大会の1年前くらい前に作り替えることはありますが、直前には変えません」という。

アジアパラ大会へ「後悔しないプレーを」

愛知・名古屋アジアパラ競技大会への思いを「出場選手に後悔しないプレーをしてもらうことが一番です。パラスポーツに挑戦する方も昔より少なくなっている中で、多くの方にパラスポーツに興味を持ってもらうことが大事だと思っています」と語った。

オーエックスエンジニアリングは1976年、オートバイの販売会社として設立。約20年にわたって、東京パラリンピック車いすテニス男子シングルス金メダリストの国枝慎吾さんをサポートしている。2024年のパリパラリンピックでは、陸上、バドミントン、テニス、バスケの選手に用具を提供し、金3個、銀4個、銅2個計9個のメダル獲得に貢献した。