ピューリッツァー賞受賞作家ダニエル・クラウス原作の映画『クジラに落ちた男』(2026年10月16日公開、配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)のワールドプレミアが、米国ロサンゼルスで開催された。あわせて、主人公ジェイが暗闇の海中で巨大マッコウクジラとダイオウイカによる死闘に巻き込まれるシーンを捉えた本編クリップ映像も公開となっている。
ロサンゼルスで世界初披露、豪華キャストが集結
本作は、ピューリッツァー賞受賞作家ダニエル・クラウスの小説『Whalefall』を原作とするサバイバル映画で、巨大マッコウクジラにのみ込まれた青年の極限状態での脱出を描く。クラウスは、2018年にアカデミー賞作品賞・監督賞などを受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のノベライズをギレルモ・デル・トロとの共著で手がけたことや、ジョージ・A・ロメロの未完の遺稿を引き継いで完成させた『The Living Dead』などでも知られる。本作は、全米図書館協会が毎年優れた一般向け作品に贈る「全米図書館協会アレックス賞」を受賞しているほか、2023年の「ニューヨーク・タイムズ年間ベストブック」にも選出され、「戦慄と感動が渦巻く傑作」とも評されている。
監督・脚本を務めるのは、ナタリー・ポートマン主演映画『ジェーン』(2016)の脚本や、『コカイン・ベア』(2023)の製作を務めたブライアン・ダッフィールド。この度、米国ロサンゼルスでワールドプレミアが開催され、豪華キャスト・スタッフ陣が集結した。
特設フォトスポットやカーペット演出で作品世界を再現
ロサンゼルス・ハリウッド通りのエル・キャピタン劇場前の会場には、世界各国から集結したメディア、そして大勢の熱狂的なファンが詰めかけた。深海を想起させるダークブルーの特製カーペットが敷き詰められ、まるで劇中の絶体絶命の物語へと飛び込んだかのような壮大な世界観が再現。さらに会場には存在感あふれる「巨大なマッコウクジラの頭部」の特設フォトスポットなども設置され、作品の持つ壮大なスケール感を余すところなく表現したダイナミックな会場演出がゲストたちを迎えた。
世界待望の初お披露目となったこの大舞台に、メガホンをとったブライアン・ダッフィールド監督、主人公ジェイ役を務めたハリウッド期待の新星オースティン・エイブラムス、ジェイの父ミット役を演じた名優ジョシュ・ブローリン、ジェイの母ザラ役を演じたエリザベス・シューら豪華キャスト&スタッフ陣が続々とカーペットに登場。さらにこの日は、本作の原作著書を手掛けた生みの親であるダニエル・クラウスも特別に登壇。オースティンとジョシュは、フォトセッションで熱く肩を組み合い、笑顔でフラッシュを浴びた。劇中での葛藤や息詰まる緊張感とは対照的に、固い信頼と絆で結ばれた"父子"の仲睦まじい姿に、会場に集まったメディアやファンからは大きな歓声が上がった。遂に一般へのお披露目を迎える本作の盛り上がりと世界初上映への期待に、会場の興奮は一気に最高潮へと達した。
監督・キャストが語る作品への思い
本作で前代未聞の衝撃作の映像化を見事に成功させたダッフィールド監督は、原作との出会いについて「マッコウクジラの体内を舞台にした映画というアイデアに、ものすごくワクワクしました。でもそのあと、ダニエル・クラウスが原作小説に込めた強い感情に、完全に不意打ちを食らったんです。ちょうどその頃、僕には息子が生まれたばかりだったので、これ以上ないほどど真ん中を射抜かれたような感覚でした。とてもパーソナルな物語でありながら、舞台設定は本当に並外れている。だからこそ、どうしてもこの作品を手掛けなければならないと感じたんです」と、使命感に駆られた当時を振り返った。
主人公のジェイを演じたオースティンは映画化への挑戦について、「『いったいどうやって実現するんだろう? どうやってこれを成立させるんだろう?』と思えたことが、この作品に取り組むうえで一番ワクワクしたところでした。そんな風に思える作品に出会えることは滅多にありません」と興奮気味に語り、本作へ参加できた喜びと胸の高鳴りを明かした。
また、ジョシュ・ブローリンとの共演について尋ねられると、「ジョシュは、役として求められるところまでとことん踏み込んでいくことを惜しまない人です。今回の彼の演技は本当に素晴らしく、とても無防備な姿を見せてくれています。僕たちは以前にも共演したことがあり、その当時はお互いに荒っぽくぶつかり合うような役柄でした。ただ、その頃からすでにお互いへの親しみのようなものが芽生えていたのだと思います。だからこそ、今回まったく異なる作品で再び共演できたことは夢のようでしたし、すでに互いへの信頼や親愛の情という土台があったことは、本当に大きな助けになりました」と、共演者への深い敬意と信頼を覗かせた。
父子ドラマの魅力と撮影秘話
父ミット役のジョシュは、自身の役作りについて「『これまでの実績にあぐらをかきたくない。どうすればもっと自分自身を開くことができるのだろう?』と思う時があります。ちょっと恥ずかしい話ですが、今回は演技コーチのところへ通い、25年間読み返していなかった本を再び読み始めたりもしました。とにかく、これまでとは違うアプローチを試してみたかったんです。というのも、この父親がどれほど深く息子を愛しているかが、僕には痛いほど分かったからです」と熱弁。
主演のオースティンとのエピソードとして、「僕は自分の撮影を終えて一足先に現場を離れましたが、彼はまだクジラの中での撮影を続けなければなりませんでした。だからメッセージで『調子はどう?』と聞くと、『まだクジラの中にいるよ』と返ってくる。1か月後になっても『まだクジラの中にいるよ』って言われましたよ(笑)」と現場を和ませる秘話を披露した。
これから映画を鑑賞する観客に向けて、「ポスターを見ると、観客の皆さんは『こういう映画だろう』と何かを予想して観に来ると思います。でも、実際には全く違う感動を受け取ることになります。最初は輪郭だけを想像していたのに、劇場では色が隅々まで塗られた完成された一枚の絵を目にするような感覚です」と語り、絶体絶命のサバイバルの中に息づく深い父子ドラマの魅力を明かした。
また、不器用な家族の土台として複雑な絆を支える母ザラ役を務めたエリザベス・シューは、「オースティン・エイブラムスは、私がこれまで一緒に仕事をした俳優の中でも、最も役に全身全霊で取り組む俳優だと思います。彼は、まるで本当にクジラの中にいるかのように、一瞬一瞬を生きているんです。私は実際に彼と共演したので、彼がすべての瞬間にどれほど真剣に向き合っていたかを知っていますし、それが作品をより一層スリリングなものにしているのは間違いないと思います。そして観客も、彼と一緒に一瞬一瞬を体験しながら、『どうか生き延びてほしい』と強く願うことになるんです。」と主演として現場を牽引したオースティンの迫真の演技を称賛した。
そして、自身の小説が映画化された原作者・共同脚本のダニエル・クラウスは、「僕がクジラの胃袋の中を舞台にした小説を書いていた時、『これはハリウッドの大作映画になるぞ』なんてまったく考えていませんでした。だからこそ、ブライアン監督をはじめ、制作に関わったすべての人々に深く感銘を受けています。これほど大胆で、奇妙で、極めてユニークな挑戦に踏み切ってくれたことは、本当に素晴らしいと思います」と感謝を述べ、完璧な形で映像化された本作の仕上がりに太鼓判を押した。
上映終了後には拍手喝采、衝撃の本編クリップも公開
息つく間もない怒涛の展開と、大スクリーンでこそ味わうべき脱出劇の迫力に、上映終了後の会場からは惜しみない拍手と喝采が送られ、プレミアは大盛況のうちに幕を閉じた。
ワールドプレミアの開催にあわせ、本作を象徴する衝撃の本編クリップ映像が公開となっている。映像は、主人公ジェイが暗闇の海中で巨大マッコウクジラとダイオウイカによる死闘に巻き込まれる圧巻のシーンだ。ダイオウイカの触手に足をすくい取られ、強烈な力で引きずり込まれるジェイ。一度は振り払って逃れかけたかと思ったのも束の間、再び足を絡め取られ、漆黒の海の底から迫り来る巨大マッコウクジラの開いた大口へと吸い込まれるように丸呑みにされてしまうーー。画面を覆い尽くす巨大マッコウクジラの圧倒的なスケールと、死に物狂いでもがき抗うオースティンの真に迫ったリアリティ溢れる演技が、息をのむ絶望感と緊迫感を生み出している。
ストーリーと作品情報
17歳の青年ジェイ(オースティン・エイブラムス)は、一人で海に潜った先で巨大なマッコウクジラに呑み込まれてしまう。極限状態の中、ジェイはダイビングの師である父親から授かった知恵を頼りに、クジラの体内からの脱出を試みる。次々と襲いかかる危険を乗り越える中で、ジェイは父との記憶をたどりながら、やがて自分自身と向き合っていく——。
出演者は、ジェイ役をオースティン・エイブラムス、ミット役をジョシュ・ブローリン、ザラ役をエリザベス・シューが務める。監督はブライアン・ダッフィールド、脚本はブライアン・ダッフィールドとダニエル・クラウス、原作はダニエル・クラウス『Whalefall』。製作はブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、ブライアン・ダッフィールド、ジェブ・ブロディ、アラン・マンデルバウム。映画は2026年10月16日に公開される。