第39回東京国際映画祭コンペに日本から3作品、監督たちが見どころ語る
東京国際映画祭コンペに日本から3作品、監督が見どころ語る

「第39回東京国際映画祭」(10月26日〜11月4日)のラインアップが1日、発表され、最高賞の東京グランプリを競うコンペティション部門に、日本から山本英監督の『過怠』、池田暁監督の『妖怪、化物をひろう』、三島有紀子監督の『男ともだち』の3作品が選ばれた。発表会には3人の監督が登壇し、作品に込めた思いや映画祭の楽しみ方を語った。

3作品の見どころ

今年のコンペティション部門には、112の国と地域から1892作品が応募。昨年の108の国と地域、1970作品と比べ、応募作品数は減ったものの、参加した国と地域は増えた。この中から15作品が選出された。

このうち、『過怠』は、日本と韓国を舞台に、受精卵の取り違えによって運命が入れ替わった2人の女性を描く。山本監督は「ストーリーを聞くとファンタジーな感じがしますが、彼女たちの日常を描いた作品で、演技も素晴らしいので注目してください」と呼びかけた。日本と韓国での撮影については、特別な景勝地ではなく、普段人々が通る道や橋などに、それぞれの国の暮らしが表れると語り、「自分たちの生活に近い部分を切り取っていくことが強さにつながると思います」と自信をのぞかせた。

『妖怪、化物をひろう』は、孤独に暮らす老婦人が人間ではない生き物の赤ん坊と出会い、ともに暮らす場所を求めてさすらう物語。池田監督は「本作の初上映が東京国際映画祭ということを光栄に思います」と述べた。撮影地となった台湾・金門島の風景も見どころの一つ。「実話とは思えない実話ベース」と紹介し、「種族の違う生き物を大切に育てたという点が腑に落ちて、人間の愛情の懐の深さを描きました」と、着想を語った。

監督たちの思い

松岡茉優が主演する『男ともだち』は、人生に行き詰まっていたイラストレーターの女性が、大学時代の“男ともだち”と再会し、ともに過ごす3つの夜を通じて自分と向き合う物語。三島監督は、コロナ禍に映画化を考え、「人と寄り添うことはどういうことなのか」を見つめたという。劇中には、男ともだちのハセオが「この世界の終りの日が来たら、何したい」と問いかけるせりふがある。三島監督は、コロナ禍で世界の終わりがそう遠くないのかもしれないと感じたことに触れ、主人公とともに世界の見方を探る思いで制作したと説明した。

制作では、池田監督とプロデューサー、カメラマン以外は台湾のスタッフが参加し、仕上げも台湾で行ったという。「日本映画を撮っているという感覚はあまりなくて、新鮮でした」と振り返り、「日本のスタッフも海外のスタッフも一緒に映画を作っていくと思います。そこから学ぶことは多く、何か広がっていくものを感じます」と、国際共同製作の可能性にも言及した。

映画祭の楽しみ方

「第39回東京国際映画祭」は、10月26日から11月4日の10日間、東京・日比谷などを会場に開催される。期間中、204作品(昨年:184作品)の映画が上映される。

発表会では、初めて映画祭に参加する人への作品選びのヒントも紹介。池田監督は、上映時間の組み合わせなどから「適当に選ぶ」ことを勧め、「よく分からなくて選んでも、意外といい出会いがあります。それが映画祭らしいと思います」と話した。三島監督は、プログラムの写真に写る俳優の表情を見て作品を選ぶという。「物語は読まないようにしています。何を感じさせてくれるかが大事だと思っているので、直感を大切に、ハシゴできるように組んでいきます」。

山本監督は「評判も聞いてない、特に知らない監督・出演者の作品は、1本は見てほしいです」と提案。「そういった映画は、数年後に思い出すことがあります。その経験をしてほしいです」と、未知の作品に出会う映画祭ならではの楽しみを伝えた。