歌舞伎俳優の尾上松也が名探偵・金田一耕助を演じ、清水崇監督が手がけた映画『八つ墓村』(公開中)から、岡山県高梁市の広兼邸(ひろかねてい)をドローンで撮影した特別映像が公開された。1977年公開の野村芳太郎監督版をはじめ、過去の映像作品でもロケ地となった邸宅を、今回も村の名家・田治見家の屋敷として使用している。
原作80周年で誕生した新作
横溝正史の同名小説を映画化した本作は、金田一耕助の初登場から80周年にあわせて誕生した新作。「呪怨」シリーズや『犬鳴村』の清水監督が、ホラー演出を交えながら、原作の「怪奇幻想ロマン冒険譚」としての魅力を描く。
物語は、横溝が太平洋戦争末期に疎開をしていた岡山県での事件や伝承に着想を得て生まれたもの。本作のロケも、そのほとんどが岡山県で行われた。
城郭のような佇まいの広兼邸
広兼邸は、江戸末期に銅の採掘や顔料製造で富を築いた庄屋・広兼氏の邸宅。巨大な石垣の上から周囲を見下ろす、城郭のような佇まいが特徴で、製作陣は企画当初から欠かせないロケ地として挙げていたという。
過去の映画では大型のフィルムカメラを用いていたため、撮影できる場所が限られていたが、今回は小型化が進んだ撮影機材を活用し、従来は捉えにくかった場所でも撮影が可能に。広兼邸の姿を、より多角的に映像に収めることができた。
手すりはCGで消す工夫
現在は観光地としても親しまれる広兼邸には、駐車場や、入り口の上り坂に安全のための手すりが整備されている。撮影では、物語の設定にそぐわないものをCGで消すなど、細部にも工夫を凝らした。
清水監督は「77年の『八つ墓村』でも使われた歴史的建造物・広兼邸など原作の舞台である岡山ロケでさまざまな景色を収めているので、怖さと共に楽しんでもらえたらと思います」と、風景も見どころの一つに挙げている。