2026年4~6月期、海外アニメファンサイト「My Anime List(MAL)」で最も多くのユーザーが視聴リストに追加した作品は、講談社『月刊モーニングtwo』連載の『とんがり帽子のアトリエ』だった。エンタメ社会学者の中山淳雄氏は「海外ファンにとってファンタジー、異世界転生、学園モノは受け入れられているが、歴史を扱った作品はリテラシーを要するため反応は悪かった。しかし最近変化が起きている」と指摘する。
MALでトップの評価を獲得
MALは世界中の約2000万人のアニメファンが参加するデータベースサイトで、ユーザーの6~7割が10~20代、5~6割が欧米圏、日本人は1%未満という純粋な「日本人以外のアニメファン」の声を反映する。『とんがり帽子のアトリエ』はMembers数38万人、評価スコア8.6を記録。これは『ダンダダン』や『ワンパンマン』に匹敵するトップクラスの数値であり、『葬送のフリーレン』を凌駕するとの声も上がっている。
アニメ化がもたらした爆発的な成長
原作漫画は2016年9月から連載開始。アニメ制作はOLM子会社のBUG FILMSが担当し、当初は「大ヒットの予感」を感じさせる布陣ではなかった。しかし口コミで評判が広がり、発行部数は2018年9月の100万部から2020年4月に200万部、アニメ化発表後の2022年4月には350万部に。2026年2月の配信前には750万部、配信後の6月には900万部に到達し、アニメ化の効果が如実に表れた。
海外ファンが絶賛する理由
海外ユーザーからは「『フリーレン』を凌駕する作品。まるで『星の王子さま』の世界」「アニメの映像は息を呑むほど美しい」「美しい絵柄、奇想天外な世界観、複雑な倫理的問題を巧みに描く魅力的なストーリー」といった高い評価が寄せられている。また、「(『古見さんはコミュ症です』や『サマータイムレンダ』を手掛ける)OLMの作品の中でも特に映像美に優れた作品」と、スタジオの評価を一段押し上げる結果となった。
歴史アニメへの関心の高まり
中山氏によれば、従来海外ファンはファンタジーや異世界転生、学園モノを好み、歴史作品は背景知識が必要なため受け入れられにくかった。しかし近年、『日本三國』など歴史アニメが異例のヒットを記録し、『とんがり帽子のアトリエ』も歴史的な魔法文化を描くことで新たな層を獲得している。同作は「2026年の最高の作品のひとつ」と賞され、第2期の制作も決定している。



