美輪明宏さん死去、91歳 アニメ声優としても功績
歌手で俳優の美輪明宏さんが6月20日午前9時30分、老衰のため東京都内の自宅で死去した。91歳だった。美輪さんはアニメ映画『もののけ姫』のモロの君役や、『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール アルセウス 超克の時空へ』のアルセウス役など、声優としても幅広く活躍。訃報を受け、ネット上ではアニメファンから追悼の声が相次いでいる。
『もののけ姫』モロの君役で強烈な印象
美輪さんが演じたモロの君は、ヒロイン・サンを育てた山犬の神であり、劇中で数々の印象的なシーンを残した。特に主人公アシタカに放った「黙れ小僧!」という名セリフは、日本テレビ系『金曜ロードショー』で放送されるたびにネット上でトレンド入りするほどの強烈さだった。
また、『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール アルセウス 超克の時空へ』では、宇宙を創造したとされる幻のポケモン・アルセウスの声を担当。何千年も前に人間に裏切られたアルセウスが復讐のために現代に現れ、町を攻撃するという物語で、まさに“最強のポケモン”の威厳を漂わせた。
その他の声優作品やアニメファンの反応
美輪さんはほかにも、スタジオジブリ作品『ハウルの動く城』で荒地の魔女役、『幻魔大戦』ではフロイ役を務めるなど、アニメ作品に多数出演。アニメファンからも深く愛された。SNS上では、「もののけ姫のモロのイメージが強い。謹んでお悔やみ申し上げます」「何気なくハウルともののけ姫を見たくなってDVDを引っ張り出していたところ。まさか…嘘だと言ってほしい。美輪さんの言葉に何度も励まされた」といった声が寄せられた。
さらに、「美輪明宏さんが声を当てた作品で一番印象的なのはモロの君だが、ポケモン映画でアルセウスの声も担当していたとは。ご冥福をお祈りします」「もののけ姫のモロ役、まるで憑依したかのような演技で圧倒された。本当にすごかった。ご冥福をお祈りします」など、別れを惜しむコメントが溢れている。
公式サイトが訃報を発表 最後の言葉は「ありがとう」
美輪さんの所属事務所は公式サイトで「突然のご報告となりますが、弊社所属の歌手で俳優の美輪明宏が、六月二十日午前九時三十分、老衰のため九十一歳で永眠いたしました。生前は多くの皆さまから格別のご厚情を賜り、いつも温かく支えていただきましたこと、本人ならびに弊社社員一同、心より感謝申し上げます」と伝えた。
葬儀告別式は本人の意向により近親者のみで執り行い、お別れ会や偲ぶ会の予定はなく、香典・供花は辞退するという。また、「この一年は高齢のため仕事をセーブし、体力の回復に努めておりました。約三ヶ月前に体調を崩してからは自宅で静養。最後は『ありがとう』と一言感謝の言葉を伝え、静かに目を閉じました。都内で営まれた告別式には、本人が好きだった黄色いバラを祭壇に飾り、棺にはファンからのお手紙を納めました」と明かされた。美輪さんが生前にしたためた直筆メッセージも公開されている。
歌手・俳優としての多岐にわたる功績
美輪さんは長崎県出身。16歳でプロの歌手となり、銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」を拠点にクラシック、シャンソン、タンゴ、ラテン、ジャズを歌い注目を集めた。1957年に「メケメケ」が大ヒット。また日本におけるシンガーソングライターの元祖として「ヨイトマケの唄」など多数の曲を自作。コンサート、舞台、映画、テレビ、講演、著作と多方面で活躍し、2012年には77歳でNHK紅白歌合戦に初出場した。
俳優としては、寺山修司率いる「演劇実験室天井桟敷」の旗揚げ公演『青森県のせむし男』や『毛皮のマリー』に参加・主演。その後も『黒蜥蜴』(江戸川乱歩原作)、『双頭の鷲』、『椿姫』、『大典礼』など当たり役が多数。テレビドラマや映画にも数多く出演し、宮崎駿監督作品『もののけ姫』『ハウルの動く城』で声優を務めたほか、テレビ朝日系『オーラの泉』などのバラエティー番組でも活躍した。



