長い夏休みシーズンが始まる7月。毎年この時期は、映画ファンだけでなく若者や家族連れなど幅広い層が劇場に足を運ぶことから、超大作や話題作が一斉に公開される傾向にある。特に、子どもから大人まで楽しめる劇場版アニメが数多く上映されるのが特徴だ。今回は、7月に公開される注目のアニメ映画をまとめて紹介する。
『時をかける少女』4K版:20周年記念リバイバル上映
7月3日より、映画・ドラマ・アニメのレビューサービス「Filmarks」のリバイバル上映プロジェクトにて、公開20周年を迎える『時をかける少女』の4K版が全国147館(順次追加予定)で上映される。同作は、タイムリープ能力を手にした女子高生の青春と恋、成長を描いたひと夏の物語。筒井康隆の同名SF小説を再構築し、マッドハウスがアニメーション映画を制作した。
2006年7月に全国わずか6館から上映がスタートしたが、インターネットでの口コミ効果で徐々に動員数を伸ばし、最終的に延べ100館以上、約40週にわたるロングラン上映を記録。第30回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、第31回アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門特別賞など数々の賞を受賞し、監督・細田守の名を世界に知らしめる記念碑的作品となった。
主人公・紺野真琴役の声を担当するのは、4年後に制作された実写版でも同役を演じた女優の仲里依紗。そのほか、石田卓也(間宮千昭役)、板倉光隆(津田功介役)、原沙知絵(芳山和子役)らが出演する。
『トイ・ストーリー5』:新たな敵はタブレット端末
同じく7月3日、ディズニー&ピクサーの名作シリーズ最新作『トイ・ストーリー5』が全国で公開される。今作では、最新タブレット端末「リリーパッド」の登場で日常が変化した少女ボニーと、彼女を見守るカウガールのおもちゃ・ジェシーを中心に、“おもちゃの本当の役割”を問う物語が描かれる。
監督はシリーズ生みの親の一人で、『ファインディング・ニモ』と『ウォーリー』でアカデミー長編アニメ映画賞を2度受賞したアンドリュー・スタントン。日本語吹き替え版は、ウッディ役の唐沢寿明、バズ・ライトイヤー役の所ジョージ、ジェシー役の日下由美らおなじみのメンバーに加え、広瀬アリス(リリーパッド役)、佐野勇斗(スマーティー・パンツ役)、井上和(乃木坂46/スナッピー役)、松井ケムリ(令和ロマン/アトラス役)らが参加する。
『死亡遊戯で飯を食う。 44:CLOUDY BEACH』:2週間限定上映
7月10日からは、2026年放送のTVアニメ『死亡遊戯で飯を食う。』の続編となる劇場版『死亡遊戯で飯を食う。 44:CLOUDY BEACH』が、全国の対象劇場で2週間限定で上映される。鵜飼有志のライトノベルが原作で、命を懸けた殺人ゲームで生計を立てる少女が99連勝を目指す物語。今回は絶海の孤島を舞台にしたサバイバルゲーム「クラウディビーチ」編を映像化する。
アニメーション制作は『この素晴らしい世界に祝福を!』や『ひぐらしのなく頃に』、『地獄少女』などを手がけたスタジオディーン。監督の上野壮大やシリーズ構成の池田臨太郎などTVシリーズのスタッフが続投。主人公・幽鬼役の三浦千幸をはじめ、宮本侑芽(藍里役)、永瀬アンナ(永世役)、田村ゆかり(古詠役)、稲垣好(日澄役)、島田愛野(真熊役)、明智璃子(蜜羽役)、遠野ひかる(海雲役)が8人のプレイヤーを演じる。
『君と花火と約束と』:長岡花火に込めた平和の祈り
7月17日には、日本三大花火大会の一つ「長岡まつり大花火大会」を舞台にした『君と花火と約束と』が全国公開。打ち上げ花火が描かれた絵に秘められた切ない秘密をめぐる、時を超えたラブストーリーだ。
同作は、シンエイ動画の代表・梅澤道彦が終戦80年の節目に向けて立案。小説家・真戸香が原作を開発し、長岡花火に込められた慰霊と平和の祈りを反映させた。主人公・夏目誠役は佐藤勝利(timelesz)がアニメ映画初主演。ヒロイン・葉山煌役に原菜乃華、キーパーソンのハル役に高橋李依が抜てきされた。
『パウ・パトロール ザ・ダイノ・ムービー』:恐竜島で大冒険
7月24日からは、カナダ発祥の人気子ども向けアニメ『パウ・パトロール』の劇場版第3弾『パウ・パトロール ザ・ダイノ・ムービー』が全国公開。世界160カ国以上で放送される同作は、人間の少年ケントと子犬たちがトラブルに立ち向かう物語。今作では巨大恐竜が暮らす「ダイノ・アイランド」を舞台に、心優しい恐竜たちのピンチを救うため奮闘する。
日本語吹き替え版には、潘めぐみ(ケント役)、小市眞琴(マーシャル役)、井澤詩織(スカイ役)らおなじみの声優陣に加え、女優の大島優子、お笑いコンビ「レインボー」のジャンボたかお&池田直人がゲスト声優として出演。バックストリート・ボーイズが描き下ろした主題歌『Bottle Up』にも注目だ。
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』:初の劇場版
同じく7月24日、『ちいかわ』初の劇場版『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が全国公開。「日本キャラクター大賞グランプリ」を3度受賞した人気コンテンツで、漫画シリーズ屈指の人気長編「セイレーン編」を原作者ナガノの完全監修で映像化。ある島を訪れたちいかわたちの壮大な大冒険を描く。
アニメーション制作はCygamesPictures。TVアニメ『ちいかわ』を手がけた及川啓が監督を続投し、ちいかわ役の青木遥、ハチワレ役の田中誠人、うさぎ役の小澤亜李、モモンガ役の井口裕香、くりまんじゅう役の淺井孝行、ラッコ役の内田雄馬らが出演する。
『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』:33作目
7月31日には、国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』の劇場版33作目『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』が全国公開。今年は父・ひろしの故郷である秋田県を舞台に、妖怪の国に迷い込んだ野原家と愉快な妖怪たちの夏の大冒険が描かれる。
監督は2022年からシリーズ演出を担う渡辺正樹。メインキャストに加え、女優の伊藤沙莉、お笑いコンビ「マユリカ」の阪本&中谷がゲスト声優として登場する。
まとめ:7月公開作品に注目
4K版としてリバイバル上映される『時かけ』を皮切りに、『トイ・ストーリー5』や『パウ・パトロール』の最新作、SNS発の人気キャラクター『ちいかわ』初の劇場版、夏休み恒例の『クレしん』劇場版など、7月公開のアニメは人気作が目白押しだ。一人でじっくり楽しむもよし、家族や友人と楽しむもよし。ぜひ劇場に足を運ぶ際の参考にしてほしい。



