アニメ『これ描いて死ね』の舞台として、東京都の離島・八丈島が再び注目を集めている。沖縄や屋久島といった有名観光地に比べてリーズナブルな旅費で訪れることができ、作品の世界観を追体験できる“聖地”として、かつて若者が殺到したこの島に、再び巡礼者が戻ってきている。
『これ描いて死ね』の舞台・八丈島の魅力
島の東部に位置する「リードパークリゾート八丈島」は、本作に登場するリゾートホテルと外観が酷似していることから、ファンの間で聖地巡礼の名所となっている。ホテル名は異なるものの、入り口の看板も映画の雰囲気そのものだと話題だ。
八丈島はアニメだけでなく、実写映画の舞台としても人気だ。映画『今日も嫌がらせ弁当』(2019年)は、島に住む実在の母(篠原涼子演)と女子高生(芳根京子演)の心温まる実話を基にしている。雄大な自然と離島ならではの複雑な人間関係が、ロケを通じてリアルに描かれた。
ロケ地研究家でコンテンツツーリズム研究家の古関和典氏は、この作品のロケ実施に関わった経験を次のように語る。「撮影時期が島一番の観光シーズンであるフリージアの開花タイミングと重なり、手配に苦労しました。メインのロケ地は都立八丈高校のある町の中心地域ですが、撮影は島全体で行われ、『八丈小島』を望める遊歩道や牧場などが印象的に登場します」
複数の作品が舞台に選ばれる理由
八丈島を含む伊豆諸島は、多くの作品の舞台として選ばれている。その理由について古関氏は「自然に囲まれた島での『日常生活』と、大型客船で上京するシーンでの『非日常感』の対比が描きやすいから」と分析する。
八丈富士の中腹に位置する「ふれあい牧場」は、『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』と映画『今日も嫌がらせ弁当』の両方に登場した。このように、同じロケ地が複数の作品で使われることもある。
リーズナブルに聖地巡礼するなら秋から冬
東京都の統計によると、2024年の月別伊豆諸島への観光客数は8月がピークで5万4355人だが、9月は3万6430人と大幅に減少する。ピークシーズンは宿泊施設やレンタカー、レストランが軒並み予約で埋まるが、時期を少しずらすと一気に過ごしやすくなる。
秋から冬のオフシーズンは観光客数が8月の半分を下回るが、伊豆大島では椿の見ごろを迎える。ゆっくりとリーズナブルに聖地巡礼を楽しみたいなら、秋から冬にかけての訪問がおすすめだ。伊豆大島・波浮港の風情ある町並みを散策すれば、作品の世界に浸ることができるだろう。



