トヨタ博物館が開催した展示会を契機に、これまで旧車市場で定番とされてこなかった「サイノス」「コスモスポーツ」「レパード」といった希少な国産ヘリテージカーが注目を集めている。旧車ブームの波が、従来の人気モデルから多様な車種へと広がりを見せており、市場はかつてない活況を呈している。
展示会が照らした隠れた名車たち
今回の展示では、トヨタの「セリカGT-FOUR」や「サイノス コンバーチブル」が並び、特にサイノスはそのコンパクトなスタイルと希少性から来場者の関心を集めた。また、マツダの「コスモスポーツ」は、ロータリーエンジンを搭載した歴史的価値の高いモデルとして、多くのファンを魅了した。
日産の「レパード」も注目車種の一つだ。特に1986年発売の2代目F31型は、4ドアを廃止し2ドアクーペのみのラインナップとし、競合車のトヨタ・ソアラを強く意識した設計となっている。車体の基本設計は1985年デビューの7代目スカイライン(R31型)とほぼ同じだが、全車にV型6気筒エンジンを採用した点が特徴だ。初期型には2L・V6のVG20E型とそのターボ版のVG20ET型、さらに展示車に搭載された3L・V6のVG30DE型の3タイプが用意された。
レパード:隠れた名車の魅力
カーショップフレンドの担当者は、「F31型レパードは当時のライバル車だったソアラと比べると新車の販売台数は少なかったため、中古車のタマ数はさほど多くはない」と語る。しかし、1980年代のドラマ『あぶない刑事』を若い頃に見ていたファン層からの支持は根強く、ソアラほどの知名度はないものの、当時「憧れたクルマ」を求めるユーザーは多いという。まさに「隠れた名車」の一台と言える。
また、1970年に発売された日産初のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車である初代チェリーのクーペモデル「チェリーX-1」も展示された。コンパクトで軽量な車体と高性能エンジンによりレースでも活躍したこのモデルは、後に「ホットハッチ」と呼ばれるモデル群の源流とされる。
世界に一台のカスタム車両も
さらに、日産の高級4ドアセダン「セドリック」5代目430型(1979年)をベースにしたオープンカーも出展された。ルーフを全てカットし、リアシート後方にポール状の背もたれを設置したこの車両は、パレード用にカスタマイズされたもので、世界に一台しかないレアな個体である。
このように、国産旧車市場では掘り出し物とも言える希少かつ多種多様な個体が続々と登場しており、まだまだ活況が続きそうだ。今後、どのようなモデルが次世代の王道となるのか、動向が注目される。



