堺市東区にあるため池「大津池」を地域の憩いの場にしようと、地元の小学6年、才神実歩子さん(12)が中心となり、地域を巻き込んだ活動が広がっている。きっかけは科学コンクールの応募に向けた自由研究だったが、池のほとりに人工芝が敷かれたり、子どもたちの居場所作りに活用されたりと、地域の人々が集まる場になっている。
市によると、大津池は南海初芝駅西側にある東区最大のため池で、面積約7.8ヘクタール。才神さんが大津池に注目したのは小学1年のときで、通学路にある池の水が汚れ、臭いもひどく「おばけ池」と呼ばれているのを知ったことがきっかけだった。才神さんは「大津池にも何か魅力があるはず。池をきれいにして人の集まる場所にしたい」と思い立ち研究を始めた。
小学3年からは、大津池にいる動物や植物を写真で撮影して記録するなど本格的に調査を開始。水質や臭いが場所や時期によってどのように変わるのかも調べ、自由研究でその結果をまとめていった。しかし、一人での研究活動では限界を感じ、「一人でやっていてもうまくいかない。どうやったらできることが増やせるだろう」と悩んだ。
そんなときに出会ったのが、東区でこども食堂などを開く団体「みんなの広場気楽」代表の尾張嘉平さん(40)だった。尾張さんは才神さんの研究を知り、「研究を続けているのは子どもながらすごい。力になりたいと思った」と活動を支援。その後、尾張さんや地域の自治会の協力を得て、大津池で清掃活動や池の水を抜いて子どもが池の中に入れる体験会などのイベントを開催。民間企業の協力も得て、池のほとりに人工芝やテントが設けられるなど整備が進んだ。
今では、尾張さんの団体が月に2回、大津池を子どもたちの居場所作りの場として活用。日中には地域の人たちが集まり、何げない会話を交わす場になることも増えている。才神さんは「最初はみんなから好かれていなかった池だけど、地域の人に来てもらえるようになってうれしい」と喜ぶ。
才神さんは4月から中学に進学するが、水質の改善に向けて池のプランクトンについて調べるとともに、同級生らに大津池を知ってもらえるよう活動を続けるつもりだ。「小さい子からお年寄りまでの全ての人と、生き物や植物にとっても憩いの場になるようにしたい」と意気込んでいる。



