マウスコンピューターが24時間365日の国内サポートを掲げる理由「ゆいまーる」の精神と最新AIで挑む
マウスコンピューターが24時間365日サポートを掲げる理由

パソコンのトラブルは、深夜や休日を問わず突然やってくる。そんなとき、いつでも頼りになるのが「24時間365日サポート」だ。さまざまなPCメーカーが提供しているが、マウスコンピューターもその1社である。同社が2026年6月に開催したイベント「Mouse Communication Partner Conference」では、業績や社長メッセージに次いで重点的に取り上げられたのが、このサポート体制と品質管理だった。今回、その中核を担う福岡拠点を現地取材し、同社がなぜ国内サポートにこだわり続けるのか、そしてどのような未来を描いているのか、キーマンたちの言葉とともに探った。

「お客様をがっかりさせない」サービス本部の組織とその役割

同社のサポートを下支えするサービス本部は、大きく分けて「コンタクトセンター」「サービスセンター」「3R推進室」の3つの組織で構成されている。全国のユーザーからの問い合わせ窓口となるコンタクトセンターは、福岡を中心に埼玉、広島、沖縄の国内4拠点で連携している。「お待たせしないサポート体制」を掲げ、顧客の問題を迅速に解決することが使命だ。

サービスセンターは沖縄と広島の2拠点に位置し、製品の問題を正確に突き止め、72時間以内の修理完了を目指す。また、ここで得られた情報を開発部門へフィードバックする役割も担う。そして2026年4月に新設(再定義)されたのが、沖縄にある3R推進室だ。リユース・リデュース・リサイクルの頭文字を取った3つのRを推進し、厳格な検査と整備を経た「マウス整備済パソコン」の販売などを直営店で行っている。

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電話からオムニチャネルへ 多様化する顧客接点と「進化するサポート」

同社は7月1日より、長年使われてきた「コールセンター」という名称を「コンタクトセンター」へと変更した。電話対応だけでなく、メールやLINE、AIチャットなど多様化するコミュニケーションチャネルに対応するためのアップデートだ。この名称変更に込めた思いについて、同社サービス本部 本部長の肥後明宏氏は次のように明かす。

「電話をかけるだけの部署ではなく、お客様との関係性をより深めていきたいという思いがあります。システム的な部分での課題解決も含め、オムニチャネル化を推進し、顧客接点をより進化させたいという思いで名称を変更しました」

なお、顧客満足度を測る主要な指標として、「電話の受電率」(お客様の電話を受けることができたか)が90%、「平均応答時間」(オペレーターに繋がる時間)が45秒、「メール回答時間」(メールの問い合わせを受信してから回答送信ができたか)が24時間以内、そして「顧客満足度アンケート」で90ポイントという具体的な目標値が設定されている。2025年度の実績は受電率が90%(2024年度は92%)、平均応答時間が57秒(同45秒)、メール回答時間が16時間(同16時間)、アンケートスコアは90(同90)というものだった。

ちなみに、電話とLINE・メール、AIチャットの割合は、ここ数年で電話は減りつつも全体の36.7%と最も多く、LINE・メールは33.2%、AIチャットは30.1%と変化している。年齢層で見ると、AIチャットやLINEは若年層、電話は高齢者が多く、電話体制の維持は必須である一方、今後の課題に感じているという。

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サポート内容の変化とAIの活用

具体的なサポート内容について、同社サービス本部 コンタクトセンター CS改善グループ長 主催の波平裕介氏は次のように振り返る。「以前に比べると、今のWindows 11は初回設定に手間がかかります。ネットワークへの接続が前提だったり、Microsoft アカウントが必要だったりと、そこでつまずかれる方が増えています。逆に以前は多かった年賀状関連のお問い合わせはガクンと減っていたり、動画編集についての問い合わせは増えていたりと、時代ごとの変化は確かにありますね」。

同社は、こうした変化に対応するため、AIチャットボットの精度向上や、オペレーター向けのナレッジベース整備にも注力している。特に、初回設定の手順を動画で案内するなど、視覚的なサポートも強化。顧客が自分で問題を解決できるセルフサポートの拡充も進めている。

国内サポートにこだわる理由と今後の展望

マウスコンピューターが国内サポートにこだわる理由は、顧客満足度を最重視する経営方針にある。同社の製品はBTO(受注生産)が主体で、顧客一人ひとりのニーズに応えるカスタマイズが強みだ。そのため、購入後のサポートも含めたトータルな顧客体験が、ブランド価値を高めると考えている。

肥後氏は「当社でお客様との直接的な接点がある部署は、営業かこのコンタクトセンターなど本当に限られています。我々としては、ここでの対応でお客様をがっかりさせないことを非常に重要視しており、それがサービスを含めた会社全体の顧客満足度を下支えすることに繋がると考えています」と語る。

今後は、AIのさらなる活用による応答品質の均一化や、チャットボットの高度化による一次対応の自動化を進め、オペレーターはより複雑な案件に集中できる体制を目指す。また、顧客の声を製品開発に迅速にフィードバックする仕組みも強化し、サポート品質の向上と製品開発の好循環を作り出したい考えだ。