物流危機打開へ多重下請け構造を可視化、デジタルツールで改革進む
物流危機打開へ多重下請け構造を可視化、デジタル改革

物流業界の構造的な課題である多重下請け構造が、ドライバーの低収入や人手不足を招き、輸送力の危機を深刻化させている。こうした中、新潟輸送はデジタルツールを駆使して取引の可視化に乗り出し、業界改革の先駆けとなっている。

多重下請け構造の実態

トラックドライバーを取り巻く悪循環の根源とされるのが、多重下請け構造だ。中間マージンが各段階で差し引かれるため、実際に運送を担う下請け業者の運賃は大幅に目減りする。中部地方のある零細運送会社の社長は「事前に条件を知らされず、翌月に振り込まれて初めて運賃がわかる。結果的に赤字だった経験もある」と明かす。

委託が重なるにつれ、荷主や元請けは運送の実態を把握できなくなり、ドライバー自身も自分が何次請けなのかを知らないまま走行するケースが多い。このブラックボックス化した商習慣が、業界全体の非効率と不透明さを生んでいる。

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FAX主体の非効率な業務

新潟輸送の現場では、連絡手段の多くがFAXに依存しており、1日当たり約600枚のFAXがやり取りされている。この非効率な業務フローが、情報の遅延や誤伝達の原因となり、さらなるコスト増を招いている。

同社はデジタルツールを導入し、FAX主体の業務を電子化することで、多重下請け構造の可視化に取り組んでいる。具体的には、各下請け業者の取引状況や運賃をデータ化し、一元管理するシステムを構築。これにより、元請けから末端までの取引の流れを透明にし、中間マージンの適正化を図る。

下請け業者の説得とAI配車の導入

新潟輸送は、下請け業者を1社ずつ説得しながらデジタル化を進めている。当初は抵抗もあったが、コスト削減や業務効率化のメリットを説明し、理解を得ている。今後は、AIが配車を自動で最適化するサービスも導入予定で、さらなる効率化が期待される。

「物流2024年問題」により、ドライバーの残業規制が強化される中、輸送力の維持が急務となっている。多重下請け構造の可視化は、運賃の適正化やドライバーの労働環境改善につながる重要な一歩だ。

業界全体でデジタルツールの活用が進めば、ブラックボックス化した商習慣が打破され、持続可能な物流システムの構築が可能になる。新潟輸送の取り組みは、そのモデルケースとして注目される。

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