JR東日本は、羽田空港と成田空港を結ぶ新たな鉄道路線の構想を発表した。総事業費は約1兆円を見込み、2025年度に着工、2030年代半ばの開業を目指す。この新線は、東京都心を経由せずに両空港を直接結ぶことで、移動時間を大幅に短縮する計画だ。
新線の概要と期待される効果
新線は、羽田空港から東京湾岸を経由し、成田空港へ至る全長約60キロメートルの路線。最高時速は160キロメートルを想定し、両空港間の所要時間は現在の約2時間から約50分に短縮される見込み。JR東日本の担当者は「これにより、国際的なハブ空港としての競争力が向上し、訪日外国人観光客の増加も期待できる」と述べている。
また、新線は品川駅や東京駅などの主要ターミナルにも接続する計画で、都心部からのアクセスも改善される。特に、羽田空港から成田空港への乗り継ぎ需要が高まると予想され、航空会社からも歓迎の声が上がっている。
事業費と資金調達
総事業費約1兆円のうち、JR東日本は約6000億円を負担し、残りは国や東京都などの公的支援を受ける方針。JR東日本の社長は「このプロジェクトは国の成長戦略にも合致する。関係機関と連携し、早期実現を目指す」とコメントしている。なお、2024年度中に詳細なルートや駅位置を決定し、環境影響評価を開始する予定。
既存路線との競合と課題
現在、羽田空港と成田空港を結ぶ鉄道は、京急線とJR線を乗り継ぐルートが主流で、所要時間は約2時間。新線が開業すれば、これに大きな打撃を与える可能性がある。また、事業費の回収や採算性についても課題が指摘されている。鉄道アナリストの山田氏は「需要予測が楽観的すぎる。実際の利用者数が想定を下回れば、巨額の赤字になるリスクがある」と警鐘を鳴らす。
今後のスケジュール
JR東日本は、2025年度の着工に向けて、2024年度中に都市計画決定と用地取得を進める。開業目標は2035年度で、その後、さらなる延伸や新駅設置も検討している。国土交通省も「国際競争力強化のために重要なプロジェクト」として支援を表明しており、今後の動向が注目される。



