日本郵便が、2025年度中に全国の郵便局の約6割にあたる1万局以上で土曜日の郵便配達を廃止する方針を固めたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。これは、慢性的な人手不足とコスト削減が主な理由で、郵便サービスの大幅な縮小となる。
廃止対象は全国1万局超、利用者への影響は
廃止の対象となるのは、全国の郵便局約1万8000局のうち、過疎地や地方を中心とした1万局以上。都市部の一部の郵便局では土曜配達を継続する可能性があるが、具体的な基準は今後詰められる。日本郵便は、2025年度までにこの方針を正式に決定し、実施に移す予定だ。
土曜配達の廃止により、土曜日に投函された郵便物の配達は翌週の月曜日以降となる。利用者にとっては、特に週末に重要な書類を受け取れなくなるなどの不便が生じる可能性がある。また、宅配便など他の配送サービスとの競争が激化する中、郵便サービスの利便性低下がさらなる利用者離れを招く恐れもある。
人手不足とコスト削減が背景に
日本郵便は、郵便配達員の高齢化や若年層の人手不足に長年悩まされてきた。特に地方では、人口減少に伴い配達員の確保が難しくなっている。また、郵便物の取扱量は年々減少しており、2023年度の取扱量は約150億通と、ピーク時の2001年度(約260億通)から4割以上減少している。このため、土曜配達を維持するためのコストが収益を圧迫している。
日本郵便の広報担当者は「人手不足とコスト削減の観点から、土曜配達の廃止を検討している。利用者にはご不便をおかけするが、サービス全体の持続可能性を高めるために必要な措置だ」とコメントしている。
郵便法改正の可能性も
現行の郵便法では、郵便物は週6日配達することが義務付けられている。土曜配達を廃止するには、法律の改正が必要となる。日本郵便は、総務省や関係省庁と協議を進め、2025年度中の法改正を目指すとみられる。
一方、利用者からは「土曜日に届くことを前提にしている書類もある。廃止されると困る」といった声が上がっている。日本郵便は、代替サービスとして、土曜日も配達可能なオプションサービスを有料で提供する案も検討している。
今後のスケジュール
日本郵便は、2024年度中に詳細な廃止計画を策定し、2025年度からの段階的な実施を予定している。また、利用者への周知期間として、廃止の少なくとも半年以上前には公表する方針だ。



