総務省の有識者会議は22日、違法なオンラインカジノへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」の検討結果を盛り込んだ報告書をまとめた。カジノ利用の防止にブロッキングが「有効」だとし、選択肢として排除することなく検討するよう求めた。
報告書の内容と今後の見通し
報告書はブロッキングの実施に向けて必要な要件を明示。現行の対策で不十分な場合に一定の要件が満たされるとした。政府は報告書を踏まえ、今秋にも現行の利用防止策の効果を検証した上で、ブロッキングの実施を最終判断する見通しだ。
意見公募の結果
総務省は22日の会議で、今年5~6月に実施した報告書案に対する意見公募の結果を示した。236の団体、個人などから意見が寄せられ、「ブロッキングを実施すべきだ」とする意見が「すべきではない」の2倍超に上った。
具体的な意見として、実施に前向きなものでは「若年層らの(サイトの)接触機会を減少させる効果が期待できる」「他の対策による抑止効果は限界に近づいている」などがあった。一方、「より権利制約の小さい手段を優先すべきだ」との意見もあった。ブロッキングの実施には、通信会社が全ての利用者の通信先を確認する必要があり、通信内容を他者に知られない憲法上の「通信の秘密」に抵触することが避けられないためだ。
他の対策と今後の焦点
政府はカジノサイトへ誘導するSNS投稿を違法としたり、日本からの接続を拒否するよう海外のカジノサイト関係国に要請したりするなど、ブロッキング以外の対策も進めている。報告書は現行の対策でもオンラインカジノの利用などが減らない場合に、ブロッキングが必要になるとの見方を示しており、現行の対策の検証結果が今後の焦点になる。
有識者会議の経緯
有識者会議は昨年4月、違法オンラインカジノの利用が深刻化していることを踏まえ、対策を検討するために設置された。ブロッキングの是非が議論の中心となり、今回の報告書で実施する場合の要件などについて一定の方向性が示されたことになる。
◆ ブロッキング =特定のサイトへの接続を強制的に遮断する措置。問題のあるサイトを列挙した接続禁止リストをもとに、プロバイダーと呼ばれる通信事業者が行う。国内では児童ポルノサイトに対してのみ実施されている。



