最近ではスマートフォンやタブレットだけでなく、ノートPCもUSB PD(Power Delivery)規格での給電に対応する機種が増えています。これに伴い、デバイスに付属する充電器(ACアダプター)もUSB Type-C接続のものが主流です。この流れを受けて、市販のUSB充電器もUSB Type-C接続、特にUSB PD規格に準拠する製品が増えており、複数ポートを備えるものや技術面での工夫で超コンパクトにしたものなど選択肢も豊富です。そのため、デバイスに付属する(または指定オプションとなっている)純正ACアダプターの代わりに購入して使おうと考えている人も多いでしょう。
USB PD充電器選びの前にデバイスの電源入力仕様を確認
しかし、特にノートPCでUSB PD準拠のUSB充電器を買う場合、スペックをよく確認しないとデバイスを充電できなかったり、充電できても時間がかかったりすることがあります。何を見て選べばよいのでしょうか。USB PD規格準拠の充電器(ACアダプター)は、何を見て選べばよいのでしょうか。まずはデバイスの電源入力の仕様を調べましょう。
USB PD規格に準拠した充電器(以下「USB PD充電器」)の最大出力は、現行規格(USB PD 3.2)では15W(5V/3A)から240W(48V/5A)までと出力の幅が非常に広いです。USB PD充電器は基本的には「大は小を兼ねる」ものなので、出力が大きいものほどより幅広いデバイスの充電に使えます。その反面、部材も高価になるため出力が大きいほど価格も高くなり、サイズも大きくなります。
デバイスに適切なUSB PD充電器を選ぶ際は、まずデバイスの電源入力の仕様(電圧と電流量)をあらかじめ調べておくことが大切です。複数のデバイスで充電器を共用する場合は、一番大きな電圧/電流量を必要とするものを基準にしましょう。
電源入力仕様の確認方法と注意点
電源入力の仕様は、デバイスのカタログやスペックシート、取扱説明書(ユーザーガイド)などのほか、ノートPCの場合は底面カバーに書いてあることもあります。カタログ/スペックシート/取扱説明書の場合、最近は最大消費電力(ワット数)、あるいは付属する純正ACアダプターのスペックが書かれているケースが多いのですが、追加の注意点もあります(詳細は後述)。定格最大の電圧/電流量の記載がある場合は、消費電力単体よりも正確なので、そちらを参考にしてください。
デル・テクノロジーズの「XPS 13」の製品情報では、65W出力の純正ACアダプターが付属する旨が書かれていますが、電力量のみ記載されている場合はちょっとだけ注意が必要なケースもあります。ノートPCの場合、底面カバーに定格最大の電圧/電流量の記載があるケースが多いです。こちらの方が情報としては正確で、参考にしやすいです。写真はレノボ・ジャパンの「ThinkPad X13 Gen 5(Intelモデル)」の底面カバーですが、定格最大で20V/3.25A(65W)を利用することが分かります。Microsoftの「Surface Pro」では、キックスタンドに定格最大の電圧/電流量が記載されています。第11世代のSnapdragon X Eliteモデルの場合、15V/2.6A(39W)という仕様です。
スマートフォンの場合の確認方法
ノートPCとは異なり、スマートフォンの場合は本体に定格最大の電圧/電流量の記載がほとんどありません。そのためカタログ/スペックシート/取扱説明書に記載された電力量を参考にしなければなりませんが、やはりちょっとだけ注意点があります。入力の次は、出力のスペックを調べましょう。
出力スペックの確認と適切な充電器の選び方
USB PD充電器を選ぶ際は、出力スペックを確認します。特に注目すべきは、対応する電圧と電流の組み合わせです。USB PD 3.2規格では、5V、9V、15V、20V、48Vなどの電圧プロファイルがあり、それぞれに対応する最大電流が決まっています。ノートPCの場合、多くの機種が20Vでの充電に対応しており、その際の電流値が重要です。例えば、65WのノートPCであれば20V/3.25Aに対応した充電器が必要です。
複数のデバイスを一つの充電器で充電したい場合は、出力ポートの数と各ポートの出力スペックを確認します。最近のUSB PD充電器には複数ポート搭載モデルが多く、例えば2つのUSB Type-Cポートと1つのUSB Type-Aポートを備え、全体で最大100W、各ポートの出力を動的に分配するものなどがあります。この場合、各ポートの最大出力と同時使用時の出力配分を確認することが重要です。
また、充電器のサイズや重量も考慮しましょう。高出力モデルは大型になりがちで、持ち運びには不便な場合があります。旅行や出張で使うなら、コンパクトで軽量なモデルが適しています。最近ではGaN(窒化ガリウム)技術を採用した小型高出力の充電器も増えています。
USB-IF認証と安全面の確認
充電器を選ぶ際は、USB-IF(USB Implementers Forum)の認証を受けているかどうかも重要なポイントです。USB-IF認証を受けた製品は、規格に正しく準拠し、安全に使用できることが保証されています。特に高出力の充電器では、認証の有無を確認することをおすすめします。
また、安全面では、過電流保護、過電圧保護、過熱保護などの保護機能が搭載されているかを確認しましょう。信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、これらの安全機能が適切に実装されている可能性が高まります。
以上、USB PD充電器選びの3つのポイントを紹介しました。デバイスの電源入力仕様を確認し、適切な出力スペックの充電器を選び、安全面にも配慮することで、快適で安全な充電環境を整えることができます。



