ソニー社長が語る「感動を創る会社」への再定義と新興市場戦略
ソニー社長が語る「感動を創る会社」への再定義と新興市場戦略

ソニーの𠮷田憲一郎社長CEOは、会社を「感動を創る会社」と再定義し、現場感を重視したクリエイター目線の戦略や、インド・東南アジア・アフリカなどの新興市場への注力、フィジカルAIへの積極投資の方針を示した。

「感動を創る会社」への再定義

𠮷田社長は、ソニーという会社を再定義するなら「感動を創る会社」になると述べ、「感動」を中心に据え、そこにこだわりながら経営していきたいと語った。また、ソニーが文化的なDNAとして持っているのが、設立趣意書にも書かれた「自由闊達」であり、「オープン」という姿勢であるとし、これをベースに「成長」と「スピード」の実現につなげたいと述べた。

𠮷田氏は2026年4月1日付で社長CEOに就任した。1989年4月にソニー(現ソニーグループ)に入社し、エンジニアとして映像、音響などの開発に携わってきた。2000年以降は、カメラの開発にも携わってきたという。

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新興市場とフィジカルAIへの注力

具体的な事業戦略の1つとして挙げたのが、新興市場への取り組みだ。これまでは米国や中国を主軸に事業を展開してきたが、この1年でインド、バングラデシュに加え、東南アジア、アフリカといった新興国の成長が著しいことを指摘し、これらの市場への取り組みを加速することになるという。

また、ソニーではフィジカルAIの領域に注力する姿勢も示した。𠮷田社長は「ソニーは、AIの広がりをポジティブに捉えている。AIに対するスピードを高め、クリエイションの現場において、AIを積極的に活用することを提唱したい。そしてソニーは、フィジカルAIの分野に適した会社であると考えている。ここには、より積極的に挑戦をしていきたい」と述べた。

フィジカルAIとソニーの強み

ソニーグループでは、AIはエンタテインメントの世界に新たな機会をもたらし、単なる効率化だけでなく、創造性を広げ、クリエイターを力強く支える機会に変わっている。だが、これまでのAIはビッグテックによるファウンデーションモデルの開発に向けた莫大な投資や、GPUに代表されるインフラへの投資が中心であり、そこにおいて、ソニーは決して強いプレーヤーではなかった。

「フィジカルAIにより、世界では現実社会から仮想社会へ、仮想社会から現実社会へというトランスレートが始まる。この世界になると、ソニーは一気に強くなる。フィジカルAIにおいては、ソニーのテクノロジーが力を発揮しやすい環境が整う」と指摘する。例えば、コンテンツ制作現場でのAI活用は、ソニーにとっては、フィジカルAIと定義する領域の1つだ。ロボットが活用される領域だけが、フィジカルAIではない。

フィジカルAIの実現に向けては、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)との連携についても言及した。「SSSとは、これまでの連携に加えて、今も未来に向けた仕組みを行っている。センサーやレンズ、カメラなどを活用し、クリエイターを対象にしたデジタルツインを提供することができる」と語る。これも、「フィジカルAIとソニーは相性がいい領域」だと言い切る理由の1つになっている。

ソニーは、長年に渡り、AIに取り組んできた実績がある。𠮷田社長も「AIの知識、 AIのナレッジ、 AIの使い勝手という点では多くの蓄積があり、これらをフィジカルAIの世界で生かせる」とする。クリエイターの現場におけるAI活用が、ソニーが考えるフィジカルAIというわけだ。

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