空飛ぶクルマの商用化を目指すSkyDriveは、2028年の実現目標に向けて技術と事業を加速させているが、機体認証の遅れが課題として浮上している。同社の機体「SD-05」は約300回の飛行で技術を実証し、427機のプレオーダーを獲得したものの、認証プロセスは申請から4年半以上が経過しながらも試験・解析はこれからだ。SkyDriveは認証取得の明確な期限を示しておらず、技術と事業が先行する一方で、認証だけが異なる時間軸で動いている。この構造が2028年目標の不確かさを生んでいる。
機体認証と競合の動き
業界全体では、前日にJoby Aviationとトヨタ自動車がeVTOLの生産に向けた合弁会社の設立を発表するなど、加速が進む。認証プロセスのスピードが商用化の時期を左右する中、SkyDriveの取り組みが注目される。
離着陸場の課題:大阪市のHマーク活用
機体認証と並ぶもう一つの課題が、離着陸場の確保だ。大阪市には緊急時の離着陸用としてビル屋上に「Hマーク」が146カ所ある。SkyDriveはこれをエアタクシーの離着陸場として活用する構想を持ち、内閣府のスーパーシティ調査事業で可能性を検討している。
実現へのハードルとして、緊急離着陸場は日常的な乗客の出入りを想定していないため、屋上までの動線や高速充電設備の設置が課題となる。一方、耐荷重は大きな問題にならない。ビル屋上の離着陸場はツインエンジンのヘリコプターが降りる前提で設計されており、SD-05の最大離陸重量1.4トンはそれより軽いためだ。
SkyDriveの福原氏は、機体の特性が有利に働くと説明する。ヘリコプターは斜めに進入・離陸するため、周囲に高いビルがあると使えない離着陸場が生じるが、SD-05は垂直に上がれるため、ヘリコプターでは使えない場所にも降りられる可能性がある。ただし、周囲をビルに囲まれた場所での運用は現行法制との兼ね合いがあり、SkyDriveでPR室長を務める宮内純枝氏は「規制緩和が壁になる」と見ている。調査事業ではこれらの課題を検証し、成立すると判断できれば事業化に進む。



