MIXI、AI活用で月次業務を70%効率化 100超プロジェクトをスプシ管理から脱却
MIXI、AIで月次業務70%効率化 100超プロジェクト管理を革新

SNS「ミクシィ」やモバイルゲーム「モンスターストライク」を手掛けるIT大手のMIXIは、100を超えるプロジェクトをスプレッドシートで管理し、対象データは約3万件に上っていた。月次の数字の取りまとめだけで手いっぱいだったという課題に直面し、AIを活用したスマートな経営管理への転換に乗り出した。

AI活用以前と比較して月次業務を約70%効率化し、1人当たり月間80時間以上の工数削減を実現。2028年3月までに年間900時間の工数削減を目指している。

「合っているか分からない」データ管理からの脱却

MIXIはこれまで、経営に関わる数字進捗の管理をスプレッドシートで運用していた。しかし、どこかで関数が1つ欠け落ちていても全く気付けないこともあり、「そのデータが合っているのか分からない」状況だったという。

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管理対象となるデータは過年度比較を含めると2万~3万件にまで広がっていた。MIXI FP&Aインテリジェンス部 部長の鄭英人氏は、これらの課題を解決するためにAIを活用した経営管理へ転換したと語る。

経営管理とは、企業や組織が目標を達成するために必要な活動を計画し、実行して監視する一連のプロセスを指す。これには、リソースの効率的な活用、戦略の立案、業務の調整などが含まれる。

5段階のレベルとMIXIの現状

Logics経営戦略本部長の濱部翔太氏は、経営管理業務には成熟度のレベルがあり、以下の5段階を提示する。

  • レベル1:見るだけ経営 - 予算進捗の確認にとどまり、要因分析や今後の打ち手の議論がない状態
  • レベル2:取りまとめ経営 - 部門単位での業務、打ち手の報告が主な状態
  • レベル3:事後対応経営 - 業績収集プロセスがマクロやシステムである程度仕組み化され、分析、検討に時間が割けるようになった状態
  • レベル4:事前対応経営 - 予算データベースが整備され、業績収集~分析が容易な状態
  • レベル5:アジャイル経営 - 社内外の先行指標やトレンドから、環境、業績変化の兆候を察知し、常に機動的に意思決定する状態

多くの国内企業はレベル2からレベル3あたりに位置し、予算・実績の集計や報告資料の作成に追われ、分析や経営層・事業部との対談に十分な時間を割けていないのが実態だという。

MIXIもレベル2(取りまとめ経営)の段階で苦労を重ねていた。同社はスポーツ、ライフスタイル、デジタルエンターテインメント、投資など、幅広い事業を展開しており、同時進行しているプロジェクト数は約100件。予算管理する費用科目は、多いもので約100項目に上る。これらを掛け合わせると常時1万件規模のデータを管理する必要があり、過年度比較を含めると、管理対象は2万~3万件のデータにまで広がっていたと鄭氏は説明する。

これをスプレッドシートで運用していたため、どこかで関数が1つ欠け落ちたとしても、全く気付けないこともあったという。「そのデータが合っているのか分からない、どこかでデータが止まってしまう——このような状況に陥った際、それらを一つずつ解決するのに苦労しました」と鄭氏は振り返る。

会計計の締めから経営へのレポートまで1~2週間

会計計の締めから経営へのレポートまで1~2週間を要する。この間、少人数のチームが朝から晩まで手作業に追われる、といった状況が続いていたという。

濱部氏はAI活用について、「いきなり全体に適用するのは難しい」とし、AIがない状況でも経営管理のオペレーションが正しく機能する体制があってこそ、AIを導入した際の効果が「指数関数的に増えていく」と説明する。

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