7月28日、虎ノ門ヒルズステーションタワー「TOKYO NODE」にて、新経済連盟(新経連)主催の「JX Awards 2026」授賞式が行われた。次世代のスタートアップ経営者を表彰する同アワードの今年の大賞には、内視鏡AIの研究開発を手掛ける「AIメディカルサービス」代表取締役の多田智裕氏が選ばれた。
大賞:AIメディカルサービス
多田氏はビデオメッセージで、「AI医療機器を医療現場に実装していくことは、医療そのものを改革することであり、社会構造の変革につながります。これからも、世界の患者を救うというミッションの実現に向けて尽力してまいります」と決意を述べた。
特別賞:オレンジ
選考委員特別賞の一つは、AIを活用したマンガ翻訳サービスを展開する「オレンジ」代表取締役CEOの宇垣承宏氏が受賞。プレゼンターの一橋大学ビジネススクールICS専攻長・大薗恵美教授は、「日本の誇る資産であるマンガを、AIを使って翻訳して広く世界の皆さんに読んでいただく。日本の文化的資産をAIという技術を使い、そしてプラットフォーマーというビジネスモデルに乗せてお届けする、非常に意義ある事業であり、夢があると思います」と期待を寄せた。宇垣氏はアメリカを拠点に活動しており、ビデオメッセージで「僕たちはAIをフルに活用して『全てのマンガを全ての言語へ』を実現し、世界中の方々が母国語でマンガを楽しめる世界を目指しております」と語り、「年内には、実証実験としてインドに向けた現地5言語、計5,000冊のリリースを予定しております」と展望を明かした。
特別賞:アークエッジ・スペース
もう一つの特別賞は、小型人工衛星の開発・運用を手掛ける「アークエッジ・スペース」代表取締役CEOの福代孝良氏に贈られた。LinkedIn日本代表の田中若菜氏は、「衛星を開発するだけではなく、設計から運用までを一気通貫で手掛けながら、宇宙を社会インフラとして実装している点に大きな可能性を感じています」と評価。福代氏は「このような栄誉ある賞をいただきまして、本当にありがとうございます」と感謝を述べ、「我々は現在10機ほどの衛星を運用しておりまして、これまでに実績としても18機の開発・運用を行ってまいりました」と紹介。「衛星を通じて人類をより安全に豊かにしていくというミッションに基づき、引き続き事業をしっかり進めていきたいと思っています」と話した。
選考委員講評
授賞式後半には選考委員による講評が行われた。新経済連盟副代表理事でサイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏は、前日に大腸がんで死去が伝えられた作家・東野圭吾氏を偲びつつ、「私も毎年のように検査をしていますが、検査で発見できる確率が3分の2だそうです。(大腸がん検査は)ものすごい大変な検査ですが、『あれで3分の2程度なんだ』とすごい不安に思った」と振り返った。その上で「大賞を受賞されたAIメディカルサービスさんが頑張ってくれれば100パーセント近く(がんを)発見できるということで、本当に素晴らしい事業をされていると思う」と評価。「他の受賞者の皆様も、宇宙開発であったり、世界に誇れる日本のIPを展開する事業であったり、JX Awardsを受賞される会社もすごくスケール感が出てきたなと感じる授賞式でした。今後の活躍を期待しております」とエールを送った。



