EVシフトの陰で急伸する水素エンジン、トヨタが描く新戦略
EVシフトの陰で急伸する水素エンジン、トヨタの新戦略

電気自動車(EV)へのシフトが世界的に加速する中、トヨタ自動車は水素エンジン車の開発に注力し、新たな戦略を描いている。同社は2025年までに水素エンジンを搭載した量産車を投入する計画で、既にカローラスポーツをベースにした水素エンジン車で公道走行試験を実施している。

水素エンジンの優位性と課題

水素エンジンは、燃焼時にCO2を排出しないため、カーボンニュートラルの実現に貢献する。また、既存の内燃機関技術を応用できるため、エンジン部品サプライチェーンを維持できる利点がある。一方で、水素の製造・貯蔵・輸送コストが高く、インフラ整備が課題となっている。

トヨタの佐藤恒治社長は「水素エンジンはEVと並ぶ重要な選択肢」と述べ、多様なパワートレインの開発を進める方針を示した。同社は燃料電池車(FCV)でも先行しており、水素関連技術の総合的な展開を目指している。

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市場の反応と競合の動き

水素エンジン車への関心は、特に商用車分野で高まっている。トラックやバスなど長距離・重量物輸送では、EVよりも水素エンジンやFCVの方が適しているとの見方がある。日野自動車やいすゞ自動車も水素エンジンの開発を進めており、業界全体で連携が始まっている。

しかし、世界的にはEVシフトが主流であり、水素エンジン車の市場規模は限定的との指摘もある。欧州連合(EU)は2035年までに新車のCO2排出を実質ゼロとする方針で、水素エンジンは対象外となる可能性がある。

トヨタの戦略と今後の展望

トヨタは、水素エンジン車をまずはレースや商用車から投入し、徐々に乗用車に拡大する計画だ。2023年にはスーパー耐久シリーズに水素エンジン車で参戦し、技術開発を加速している。また、水素ステーションの整備促進にも積極的に取り組んでいる。

専門家は「水素エンジンはEVと競合するものではなく、用途に応じて使い分けるべき」と指摘する。トヨタの戦略が成功するかは、コスト低減とインフラ整備にかかっている。

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