イーロン・マスク氏が設立した人工知能(AI)スタートアップのxAIが、約60億ドル(約9000億円)の資金調達を目指していることが、複数の関係者の情報により明らかになった。今回のラウンドでは、企業価値が180億ドルに達する見込みで、既存の投資家に加え、新たな投資家も参加する可能性がある。
xAIの急成長と評価額の上昇
xAIは2023年3月に設立され、わずか1年余りで急速に成長している。同社は、大規模言語モデル「Grok」を開発しており、これはマスク氏が所有するソーシャルメディアプラットフォームX(旧Twitter)と統合されている。昨年12月には、5億ドルの資金調達を実施し、その際の評価額は150億ドルだった。今回の調達で評価額はさらに上昇し、180億ドルとなる見通しだ。
競争激化するAI市場
AI市場では、OpenAIやGoogle、Anthropicなどの企業が激しい競争を繰り広げている。xAIは、OpenAIに対抗する形で設立され、マスク氏はOpenAIの非営利からの移行や安全性への取り組みを批判している。xAIは、AIの安全性と透明性を重視する姿勢を打ち出しており、マスク氏は「人類の利益のためにAIを開発する」と述べている。
今回の資金調達には、既存の投資家であるセコイア・キャピタルやアンドリーセン・ホロウィッツに加え、中東の政府系ファンドなども関心を示しているとされる。xAIは、調達した資金をスーパーコンピューターの構築や研究開発に充てる計画だ。
今後の展望
xAIは、Grokの機能強化や新たなAI製品の開発を進めており、2024年中にさらに大規模な言語モデルをリリースする予定だ。また、xAIの技術をXのプラットフォームに統合し、ユーザー体験の向上を図る。マスク氏は、xAIがOpenAIやGoogleに匹敵する存在になることを目指している。
一方で、AI業界では規制の動きも活発化している。欧州連合(EU)はAI法を制定し、米国でもAI規制の議論が進んでいる。xAIは、こうした規制環境の変化にも対応しながら、成長を続ける必要がある。



