アサヒ飲料は2025年7月、蛇口をひねるだけで水ではなく「カルピス」が出てくるユニークな機器「カルピスじゃぐち」の事業運営を正式に開始した。同社はホテルや温浴施設、レジャー施設を中心に設置を進め、年内に50台、2030年までに累計1000台の設置を目指している。
蛇口からカルピスが? 子どもの頃の夢をカタチに
この機器の最大の特徴は、一般的なドリンクサーバーではなく、あえて「蛇口」の形状を採用した点にある。同社の事業担当者は「『蛇口からカルピスが出てきたらいいのに』という子どもの頃の夢をかなえる体験を提供したかった」と説明する。飲料を販売することが目的ではなく、「カルピス」の思い出づくりや、家庭では味わえない体験を提供することが狙いだ。
2025年から実施した実証実験では、リゾートホテルや高齢者施設など10カ所に設置。延べ約15万人(1杯120ミリリットル換算)が利用し、「楽しかった」「また飲みたい」「童心に返った」といった声が寄せられた。
実証実験で高評価、設置先の反応は?
実証実験の結果を受けて、アサヒ飲料は本格的な事業展開に踏み切った。同社は「カルピスじゃぐち」を単なる飲料提供機器ではなく、ブランド体験を強化するツールとして位置づけている。特に、宿泊施設や温浴施設では、ゲストの満足度向上や施設の差別化につながると期待されている。
設置先の施設からは「思い出に残るサービスになる」「リピーター増加につながった」といった肯定的な評価が得られているという。アサヒ飲料は今後、設置台数を拡大するとともに、機器のデザインや機能のバリエーションも増やす計画だ。
「カルピスじゃぐち」のビジネスモデル
「カルピスじゃぐち」は、機器を設置する施設側が利用者に無料または有料で提供する形を想定している。アサヒ飲料は機器の販売またはリースを行い、カルピス原液の定期配送もセットで提供する。これにより、施設側は初期投資を抑えつつ、来訪者にユニークな体験を提供できる。
同社は「飲料を売るのではなく、体験を売る」という新しいビジネスモデルを追求しており、今後はオフィスや商業施設などへの展開も視野に入れている。



