Advanced Micro Devices(AMD)は2026年7月22日から23日まで、米カリフォルニア州サンフランシスコで自社主催のイベント「AMD AI Advancing 2026」を開催した。このイベントでは、CEOのリサ・スー氏による基調講演が行われ、同社初となるAI向け統合ラックシステム「AMD Helios」の提供開始が発表された。
Heliosの中身:第5世代GPUと第6世代CPU
Heliosは、AMDのデータセンター/HPC向けGPU「Instinct」の第5世代に相当する「Instinct MI455X」と、データセンター向けCPU「第6世代EPYC」を採用している。1ラックあたり最大18トレイを収容可能で、1トレイはCPU 1基+GPU 4基という構成。つまり、1つのラックには最大CPU 18基、GPU 72基が搭載される。
ラック内では、Ultra Accelerator Link(UALink)を介してGPU同士が接続される。これにより、各GPUが持つHBM4広帯域メモリ(合計31TB)が、巨大かつ高速なコヒーレントメモリとして機能する。さらに、複数のラック(ノード)を組み合わせたスケールアウトも可能で、数千単位で構成すれば「ギガワット(GW)レベル」のAIデータセンターを構築できる。この実現には、AMDのPensando部門が開発した「Pensando Vulcano AI NIC」が用いられ、1ノード(トレイ)あたり2枚のNICカード(チップ数では12個)が搭載される。
競合NVIDIAへの対抗策
これまでAMDは、ハイパースケーラー向けにはOEM経路でのチップ供給に依存していた。そのため、Blackwell世代でラック全体がGPUとして動作する完成型システム「Vera Rubin」を先行して量産したNVIDIAに対し、競争面で不利な状況が続いていた。しかし、最新世代のGPUとCPUを搭載したAMD Heliosの登場により、AMDはVera Rubinに「本格的」に対抗できる手段が整ったと言える。



