AMD Instinct MI455X、2nm採用でFP4性能が4倍に
AMD Instinct MI455X、2nm採用でFP4性能が4倍

AMDは「Advancing AI 2026」でデータセンター向けGPU「Instinct MI455X」の詳細を発表した。本稿では同GPUのアーキテクチャと性能について、公開された情報をもとに解説する。

8つのGPUダイと12個のHBM4を搭載

Instinct MI455Xは、8つのGPUダイ(XCD)と12個のHBM4メモリを搭載する大型パッケージだ。各XCDは4つのWGP(WorkGroup Processor)から構成され、合計32WGP(物理的には34WGPで、うち2WGPが冗長)が有効となる。XCDはTSMCの2nmプロセス(N2)、FCD(Fabric & Cacheダイ)とIOD(I/Oダイ)はTSMC N3Pで製造される。前世代のMI355XではIODがTSMC N6だったのに対し、大幅に微細化が進んだ。

FP4演算をハードウェア対応、ピーク性能が4倍に

最大の変更点は、FP4演算のハードウェア対応だ。MI355XまではFP4データをFP8演算器で処理していたため、FP4とFP8のピーク性能は同一だった。MI455Xでは演算器そのものがFP4に対応し、FP8の2倍の処理能力を持つ。これに加えて演算器数自体も2倍になったため、FP4のピーク性能はMI355X比で4倍の40PFlops(Sparsity利用時)に達する。FP8も20PFlopsと2倍となった。

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キャッシュ構成を一新、Infinity Cacheを廃止

キャッシュ・メモリ階層も大幅に変更された。LDS(Local Data Store)は160KBから320KBに倍増され、Vector Cache 64KBと統合され合計384KBに。L2キャッシュはFCD側に96MB集約され、前世代のInfinity Cache(L3相当)は廃止された。代わりにHBM4の帯域を活かす設計で、HBM4は12スタック・2048ビットバスにより23.3TB/secの帯域を実現する。これはMI355XのHBM3e(8TB/sec)の約2.9倍に相当し、演算性能向上を支える。

IODはPCIe Gen6、UALink、UALoEに対応

IODはPCIe Gen6、Infinity Fabric、UALink、UALoE(UALink over Ethernet)の4種類のインターフェースをサポート。PCIe Gen6はx16構成で64GT/sec、Infinity Fabricは64Gbps x16、UALink128は112Gbps x8のリンクを3本、UALoEは200Gbpsのリンクを最大18本提供する。Heliosラックソリューションでは実際に12レーンのUALoEを使用する。

AI向けに特化、FP64とINT8を非サポートに

MI455XはAI推論・学習に特化しており、FP64演算のサポートが外れた。必要ならば同一シリーズのInstinct MI430X(FP64 288TFlops)を利用する想定だ。INT8もサポートされていない。CDNA5アーキテクチャに基づき、WGP単位の制御に移行した点も特徴的で、32WGP(32CU相当)ながら1WGPあたりのSIMD32が4基搭載され、演算能力は前世代の2倍に相当する。

これらの改良により、Instinct MI455Xは大規模AIワークロード向けに最適化されたGPUとなっている。消費電力(TBP)は現時点では未公表だが、Heliosラック全体の消費電力はNVIDIAのKyberラック相当とみられる。

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