南海2000系:山岳直通の通勤車両が支線・観光列車としても活躍
南海2000系:山岳直通の通勤車両が支線・観光列車にも

1990年登場の2000系、高野線山岳区間を直通する通勤車両

南海電気鉄道が1990年に投入した2000系は、一見すると一般的な通勤車両と変わらない外観ながら、大阪・難波から高野線の山岳区間を直通する性能を備えている。同社の高野線は橋本駅以南で急勾配が連続するため、通常の通勤車両では走行が困難であり、2000系はその区間を特急料金なしで走行可能な数少ない車両の一つだ。

2000系は、1958年登場の「21000系」ズームカーとその増結用「22000系」の置き換えを目的に開発され、1997年までに4両編成と2両編成を合わせて計64両が製造された。同期にあたるのは、高野線の一部区間で共演する都会的デザインの旧泉北車両「5000系」である。

軽量ステンレス車体と全電動車方式で急勾配に対応

山岳区間に対応するため、2000系の車体は軽量ステンレス構造で、長さ17メートルの片側2扉を採用。すべての車両にモーターを搭載した全電動車方式とし、南海電鉄で初めてVVVFインバータ制御を導入した。このシステムにより、加速時・減速時に独特で大きなサウンドを発することから、「音鉄」と呼ばれる鉄道ファンの間でも人気の高い車両となっている。

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初期に製造された車両のカラーリングは、銀色の車体に当時の南海カラーである緑色のラインを窓の上下に配したデザインだった。製造時期によって細かな違いがあり、初期車両は側面に「ビード」と呼ばれる補強ラインが目立つほか、パンタグラフの搭載位置も異なる。

特急「こうや」と同じ区間を普通運賃で走行可能

2000系は種別・行き先表示に「快急 高野山極楽橋」と表示し、特急「こうや」や観光特急「GRAN天空」と同じ区間を特急料金不要で乗車できる。これにより、観光客や地元利用者にとって利便性の高い車両となっている。また、支線用の運用や観光列車としても活用され、多様な役割をこなす。

橋村季真記者が取材したところ、2000系は「姿が見えなくても存在がわかる」ほどの独特な走行音が特徴で、鉄道ファンの間で根強い人気を誇る。南海電鉄の車両の中でも特に個性的な存在として、今後もその活躍が期待されている。

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