にんじんは健康に良い野菜として知られていますが、食べ方によっては栄養を十分に吸収できていない可能性があります。ちょっとした工夫で、ビタミンAの吸収率が大きく高まるといいます。今回は『その食べ方は栄養を吸収してません』(木内麻里著、日比洋子栄養監修/青春出版社)から、にんじんの栄養を効率よく摂る方法を紹介します。
ビタミンAの吸収率を5倍にする方法
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種で、皮膚や粘膜の正常な機能維持、目の健康、免疫力向上、抗酸化作用などに関わる必須栄養素です。実はビタミンAは単一の成分ではなく、レチノール、レチナール、レチニルエステル、レチノイン酸など複数の物質からなります。また、β-カロテンは正確にはプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれ、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは動物性食品(レバー、うなぎ、バター、牛乳、チーズ、卵黄など)に多く含まれますが、β-カロテンはにんじん、かぼちゃ、ほうれん草、ピーマン、パプリカなどの色の濃い野菜に豊富です。いずれの食品も油と一緒に摂ることで吸収率が向上し、特にβ-カロテンは吸収率が5~6倍アップするとされています。ドレッシングをかけたり、煮るよりもソテーにするなど、調理法を工夫すると良いでしょう。
ビタミンAの吸収メカニズム
ビタミンAを含む食品は胃で分解された後、脂質と一緒に小腸の上皮細胞で吸収されます。吸収されたビタミンAはたんぱく質と結合し、血流に乗って肝臓などに運ばれ、必要に応じて貯蔵されます。ビタミンAの過剰摂取によるリスクが指摘されることがありますが、通常の食生活では食品からの摂取で過剰症を引き起こすことは考えられません。過剰症のリスクがあるとされるのはレチノイン酸ですが、天然食品には含まれていません。ビタミンAを摂る際は食品から摂ることを心がければ問題なく、化学合成されたサプリメントでレチノイン酸を含むものは避けるべきです。
書籍の紹介
『その食べ方は栄養を吸収してません』(木内麻里著、日比洋子栄養監修/青春出版社)では、食べたものが100%吸収されるわけではなく、消化・吸収されなければ体を素通りするだけだと指摘。卵かけごはんの白身は生で食べると残念、ほうれん草のおひたしにはしょうゆよりポン酢が適しているなど、最新栄養学に基づいた効果的な栄養摂取のコツを紹介しています。食欲が落ちた人やコスパよく食べたい人におすすめの一冊です。



