Z世代社員の絵文字チャット、上司困惑も「間違い」と言い切れない理由
Z世代社員の絵文字チャット、上司困惑も間違いと言えない理由

ビジネスチャットでZ世代の社員から絵文字入りのメッセージを受け取った50代の上司が困惑するケースが増えている。しかし、若い世代の感覚からすれば、それは「間違い」とは言い切れない。成蹊大学特別客員教授でITジャーナリストの高橋暁子氏は、世代によるコミュニケーション手段の違いが背景にあると指摘する。

メールとチャットの違いが生むギャップ

従来のビジネスメールは公式なツールであり、時候の挨拶や相手への気遣いを含む長文が一般的だった。絵文字や顔文字はプライベートなやり取りに限定され、ビジネスではほとんど使われなかった。一方、チャットは短文でスピーディなやり取りが特徴で、挨拶や気遣いの言葉が省略されがちだ。高橋氏は「やりとりのスピーディさを失わず、コミュニケーションを円滑にするためには、絵文字やスタンプを使うのはある意味合理的」と述べる。

大学生のメール事情にみる世代差

高橋氏は大学教員として、学生から件名や本文なしでレポートだけを添付したメールを受け取った経験を明かす。「宛名や挨拶、結びの文が一切なく、遅れた謝罪の文章だけのメールも届いた。メールのルールやマナーを知らないのだろうが、卒業する前に教えなければ大変なことになると心配になった」という。

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大学生世代はLINEやSNSのダイレクトメッセージで育っており、メールの利用経験がほとんどない。LINEやDMでは件名も挨拶も結びもなく、用件だけを送るのが普通で、絵文字やスタンプはむしろ推奨される。こうした環境で育った若者が絵文字に抵抗がないのは当然だ。

相手に合わせた使い分けが重要

大人世代にとって、絵文字や顔文字はカジュアルな印象が強く、ビジネスでは使わないのが一般的だ。しかし、若い世代は年下から絵文字が送られてきても違和感を感じない。高橋氏は「時代と共にツールも変わり、感覚も変わってきている」と指摘する。

ただし、大人世代の感覚が間違っているわけではない。「感じ方は世代や人によって異なるため、相手に合わせて変えていくべき」と高橋氏は強調する。冒頭の50代男性も「お礼や挨拶ならまだしも、謝罪で絵文字は軽すぎて反省しているように見えないのでは」と懸念を示した。謝罪の意を伝える場合には、丁寧なかしこまった文章の方が適切だ。

社外コミュニケーションではリスク回避を

年代や相手によって感じ方はさまざまであり、社外の人に連絡する際には、不快な思いをさせるリスクを考慮し、絵文字や顔文字を避けて丁寧なメッセージを心がけるべきだ。世代や立場によってネット上のコミュニケーション表現の正解は異なる。世代を超えた円滑なコミュニケーションのためには、互いの習慣を理解し、柔軟に対応することが求められる。

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