Z世代の間で、SNSに投稿する「映え画像」への関心が低下し、代わりに「コト映え」と呼ばれるプロセス重視のトレンドが広がっている。完成した見た目よりも、作る過程そのものを楽しみ、共有する消費行動が注目を集めている。
プロセス没入消費の台頭
2026年現在、ライスペーパーを包む、王冠を折る、クリームを絞るといった、失敗しようのない単純な作業がTikTokやInstagramで人気を集めている。これらの行為は、誰がやっても「それらしい絵」になり、工程そのものを遊びとして味わえるのが特徴だ。
例えば、ビーズを並べたりクリームを絞ったりする作業は、大人が買い直す理由として「完成させたいから」ではなく、「手を動かす時間」を楽しむためだという。メルカリでは、当時の未開封品が4000円〜1万3000円で取引される人気ぶりだ。
過去のトレンドとの違い
2022年頃に流行した「沼レシピ」や日清の袋麺アレンジは、「こうすればおいしい」という結果がトレンドになった。消費者は自分で材料を揃え、考えて作る必要があり、失敗するリスクもあった。
しかし、2026年のプロセス没入消費では、行為の瞬間そのものがトレンドになる。ライスペーパーを包む、王冠を折る、クリームを搾る——どれも失敗しようがなく、誰がやっても「それらしい絵」になる。
なぜ今、こうしたトレンドが生まれたのか
第一に、SNS映えへの疲れとマンネリ化が挙げられる。CanCamの専門家分析によれば「平成レトロブームの特徴はシール帳や手作りチョコなどのクラフト感。リアルな手作りのぬくもりを少人数の友達とシェアする楽しさが支持を集めている」という。「完成した見た目を映える写真に撮る」という行為がルーティン化し、それ自体への飽きが生まれている。
第二に、平成女児ブームによる「作る遊び」の再燃だ。2025年にはルミネエスト新宿でのイベント「ニュートロ with ナルミヤキャラクターズ」が平日にもかかわらず整理券が即配布終了となるなど、ブームの熱量が裏付けられている。SHIBUYA109 lab.も26年トレンド予測で「平成女児アイテム」への注目を打ち出した。
落ち葉アートなど、「作る行為」自体を楽しむトレンドは食以外にも広がっている。



