中国のAIスタートアップMoonshot AIは2026年7月19日(現地時間)、同社が提供するAIチャットサービス「Kimi」における新規有料契約の受け付けを一時停止すると発表した。原因は、同社が7月16日に公開した大規模言語モデル「Kimi K3」への想定を超える需要の集中にある。公開からわずか48時間で、サービス需要が利用可能な計算能力の限界に迫ったという。
Kimi K3の公開直後から需要が急増、GPUリソースが逼迫
Kimi K3は、パラメータ数2兆8000億以上の大規模言語モデルで、オープンモデルとしては世界最大級を謳う。一部のベンチマークでは、米Anthropicの「Claude Fable 5」や米OpenAIの「GPT 5.6 Sol」を上回る性能を示したほか、第三者評価サイト「Arena.ai」のフロントエンド開発ランキングでも上位に位置し、公開直後から急速に利用者を集めていた。
Moonshot AIは公式X(旧Twitter)アカウントで「Kimi K3へのアクセスが集中し、計算リソースの上限に達したため、新規有料契約を一時停止する」と説明。既存の契約者は影響を受けず、引き続きサービスを利用できる。同社は確保可能な計算資源を既存契約者の利用体験を優先して割り当てるとし、並行して計算資源の増強を急いでいる。新規契約の受け付けは、準備が整い次第、段階的に再開する予定だが、再開時期は明らかにされていない。
有料プランを再編、コーディング向け専門プランも
Moonshot AIは併せて、有料プランの再編を予告した。現在はチャットやコーディング支援「Kimi Code」などを1つの有料プランでまとめて利用できるが、今後はWeb版・アプリ版・ビジネス向け「Kimi Work」を対象とする「Kimi Membership」と、コーディング用途に特化した「Kimi Code Membership」の2プランに分割する。用途ごとに計算資源を割り当てやすくし、サービスを安定させる狙いだ。分割後の各プランの料金や内容は明らかにされていない。
Kimi K3の公開は、同社にとって大きな転機となった。オープンモデルとしての性能の高さから、開発者コミュニティを中心に急速に普及。しかし、その人気がGPUリソースの逼迫を招き、新規契約の停止という異例の事態に発展した。同社は今後、計算資源の増強とプラン再編により、需要の急増に対応する方針だ。



