米国政府は、動画共有アプリTikTokに対し、中国の親会社であるバイトダンスからの売却を求める方針を固めた。複数の米メディアが2024年4月25日に報じたところによると、米政府は国家安全保障上のリスクを理由に、TikTokに対し270日以内に米国事業を売却するよう命じる可能性がある。
売却要求の背景
米政府は長年、TikTokが中国当局にユーザーデータを提供する可能性を懸念してきた。2020年にはトランプ前政権がTikTokの禁止を試みたが、裁判所によって阻止されていた。バイデン政権も同様の懸念を抱いており、今回の売却要求はその延長線上にある。
TikTokは米国で約1億7000万人のユーザーを抱え、若年層を中心に絶大な人気を誇る。しかし、中国の法律に基づき、中国政府がTikTokのデータにアクセスできる可能性が問題視されている。
売却の条件と影響
報道によれば、売却の期限は270日間で、大統領がさらに90日間の延長を認める可能性もある。売却先は米国企業やその他の外国企業が想定されるが、中国企業への売却は認められない。
専門家は、TikTokの米国事業の評価額が500億ドルから1000億ドルに上ると分析している。売却が実現すれば、テクノロジー業界における過去最大級の取引の一つとなる可能性がある。
TikTok側は声明で、「売却は技術的にも法的にも複雑であり、実現は困難だ」と主張している。また、バイトダンスはこれまで中国政府との関係を否定し、ユーザーデータの保護に努めていると説明してきた。
今後の見通し
米政府の要求が法的な強制力を持つかどうかは不透明だ。TikTokは法的手段に訴える可能性があり、長期化する法廷闘争が予想される。また、中国側も反発しており、米中関係の新たな火種となる可能性がある。
一方で、米政府内にはTikTokの全面禁止を求める声もあり、今後の動向が注目される。米国議会ではTikTok禁止法案が提出されており、超党派の支持を得ている。



