新宿・歌舞伎町のど真ん中で、ほぼ24時間営業を40年以上続ける「コーヒーショップクール」。この店には、なぜか人々が引き寄せられる。業務マニュアルが一切ないというユニークな運営スタイルが、独自の居心地を生み出している。
日常に溶け込む存在
新宿在住の石鍋さんは、クールを「日常に溶け込んでいる存在」と語る。飲み会の帰りに立ち寄ったり、買い物の余韻に浸りたいときなど、さまざまな機会に訪れる。店内はクラシカルな雰囲気で、外の喧騒が嘘のように感じられるという。
「コーヒーを飲みながら煙草を吸い、ぼんやりする時間が、ほかでは埋められないんです。いつでも開いていることが心の支えになっています。コーヒーチェーン店とは明らかに役割が違いますね」と石鍋さん。
ヤクザの密談、風俗嬢の面接
農業を営む高野馨太さんは、10年以上週1回通った常連だ。クールの魅力は窓から見える景色と、居合わせた人々の会話が自然と耳に入ってくることだという。
ある日は隣の席で、違う組のヤクザの幹部らが縄張りについて密談していた。またある日は、風俗店の面接が行われ、女性が堂々と自分の性癖を語っていた。高野さんはその姿に感銘を受けた。
「新宿に吹くリベラルな風を感じました。歌舞伎町にはいろんな個性の人が集まり、自由に暮らしていいんだという期待を持ちました。クールは歌舞伎町を象徴する店であり、この店を通じて私は歌舞伎町を愛していました」
まとめ
「コーヒーショップクール」は、歌舞伎町の生の姿を映し出す鏡のような存在だ。業務マニュアルがないからこそ、あらゆる人が自由に過ごせる空間が生まれ、40年以上にわたり愛され続けている。



