定年後の孤独を回避、立ち飲み屋が最適な「サードプレイス」と佐藤優氏が提言
定年後の孤独回避に立ち飲み屋 佐藤優氏が提言

腎臓移植手術の前、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、一人で立ち飲み屋に足を運ぶことがあった。立ち飲み屋は「時代を映し出す鏡」であり、客の会話から日本社会の諸問題が浮き彫りになると感じていたからだ。佐藤氏の経験では、そうした場所での話題は、会社での冷遇や起業の話など、ビジネス・経済・政治が中心だという。定年後の人々にとって、こうした会話を聞いても「取り残された」と感じることはなく、むしろ社会とのつながりを実感できると指摘する。

立ち飲み屋が「サードプレイス」として果たす役割

佐藤氏は、立ち飲み屋は単なる飲食の場ではなく、心身の健康と生活の質を維持する「サードプレイス(第3の居場所)」として機能すると強調する。その主な効用として、まず社会的孤立の防止が挙げられる。年齢や過去の肩書に関係なく対等に話せるフラットな空間であり、深い付き合いを求められない希薄な人間関係が心地よい。家庭や会社以外の居場所を持つことで、定年後の孤独や寂しさを埋めることができる。さらに、地域の情報交換の場として機能し、社会とつながり直すための最もハードルの低い社交場となる。

また、立ち飲み屋は安価で健康的に生活にメリハリをつけ、認知症予防にも役立つと佐藤氏は述べる。一日の終わりに立ち寄ることで日常に区切りが生まれ、経済的負担が少ないため年金生活者でも気軽に利用できる。旬の食材を少量から楽しめる点も魅力だ。店主や他の客との会話、季節ごとのメニュー選びなどが脳を刺激し、認知症予防に寄与するという。

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座りっぱなしの生活が寿命を縮める

佐藤氏は、日本人の寿命を縮める要因として「座りっぱなし」の生活習慣を挙げる。立ち飲み屋では自然と立ったまま過ごす時間が増え、これが健康維持にプラスに働く。また、損得勘定や利害関係のない人間関係が築ける点も、定年後の精神的な安定に寄与する。

佐藤氏は「人生で最も幸せを感じる年齢は70歳」と述べ、定年後を前向きに捉えるよう促している。彼の著書『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる〈実践・成功編〉』(Hanada新書)からの抜粋となる本稿では、立ち飲み屋を積極的に活用することで、孤独な老後を回避し、充実したセカンドライフを送るための具体的な方法が提示されている。

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