リチウムイオン電池が原因の火災が相次ぐ中、新潟市消防局が制作した予防啓発動画がSNSで大きな反響を呼んでいる。公式インスタグラムでの再生回数は175万回を超え、消防庁長官表彰を受賞するなど、その斬新な手法が高く評価された。
話題の動画、その内容とは
動画は昨年11月にインスタグラムに投稿された。当時話題となっていたアニメ映画「チェンソーマン」をベースにした音楽や登場人物の衣装を採用。モバイルバッテリーを階段から落とした後、充電ケーブルにつないで卓上に置くと、バッテリーが突然火を噴いて燃え上がる様子を約20秒に凝縮している。火災予防を呼びかけるセリフや文言は一切なく、視覚的に注意を促す内容だ。
制作チームの狙い
この動画を制作したのは、中央消防署の20~30歳代の職員を中心に昨年5月に発足した「デジタルメディア消防広報戦略チーム」。県内では昨年、リチウムイオン電池が原因の火災が過去最多の13件発生しており、予防が喫緊の課題となっていた。チームは、モバイルバッテリーをよく使う若年層に効果的に訴えかけるため、流行のアニメを活用した広報を模索した。
反響と評価
動画には「流行に乗った注意喚起天才的」「楽しく学べる動画で自分も気を付けないと」などのコメントが多数寄せられた。今年5月には、予防業務優良事例表彰で消防庁長官賞を受賞し、「CMのような感覚で視聴でき、広範な関心を集めた」と評価された。チームリーダーの市橋洋佑係長(45)は「消防の動画とは気づかない構成にしたことで、多くの方にメッセージを伝えられた。うれしく思う」と話している。



