中国広東省の華南農業大学で、試験中にAI(人工知能)を搭載したメガネを使ったカンニングが複数件確認された。スマートグラス市場が急拡大する中国では、同様の事例が各地で相次いでいるとみられ、学校現場は新技術への対策に追われている。
華南農業大学で確認、Rokid製メガネ使用か
華南農業大学は今月1日、「最近の試験で学生がスマートグラスなどの電子機器を試験会場に持ち込んでカンニングする行為を複数件確認した」と発表した。雑誌・中国新聞週刊(ネット版)は、試験会場に居合わせた同級生の話として、ふちの厚いメガネをかけていた男子学生が、試験監督からしばらく注視されたあと、「君のメガネには問題がある。答案を出して去りなさい」と言われたと報じた。
報道によると、使われたメガネはRokidのブランド名で知られる中国の大手、霊伴科技製とされる。約3千元(約7万円)で、設定次第ではレンズの視界に映った問題を読み取り、AIで分析して解答を生み出し、それを視界の中に映し出すといった機能を、手元のわずかな操作で使えるという。ただし、視界に映し出す際の緑色の光が、他の人にも見えることがある。
「氷山の一角」、他大学でも不正例
華南農業大の例は、中国の大学では「氷山の一角」に過ぎないようだ。河南省にある大学「許昌学院」の公式ホームページによると、今年6月の数学などの試験で、「学生が情報の送受信ができる電子機器を持ち込んで答えを得ようとする不正」が少なくとも5例あった。電子機器が何かは明らかにされていないが、スマホや腕時計と比べても不正が発見されにくいスマートグラスの可能性がある。
市場急拡大、IT大手も参入
スマートグラス市場は中国で急成長している。メタ(旧フェイスブック)や中国のIT大手も続々と参入し、有望市場として注目を集める。一方で、カンニング対策として、試験会場でのスマートグラス使用禁止や、金属探知機によるチェックを導入する大学も出てきている。しかし、技術の進歩に規制が追いつかず、学校現場は「いたちごっこ」に巻き込まれている。



