元外交官が絶賛する「ニュースの英語PLUS」活用法、英語学習の極意を伝授
元外交官が絶賛「ニュースの英語PLUS」活用法

元外交官で駐チュニジア大使や駐ラトビア大使を歴任した多賀敏行氏(75)は、読売新聞の日刊英字紙「ジャパン・ニューズ(JN)」に掲載される英語学習コーナー「ニュースの英語PLUS」の熱心な愛読者だ。外務省退官後も英語学習を続け、現在は兵庫県神戸市のNHK文化センターで英語を教えている。多賀氏は、同コーナーを活用した独自の指導法で受講者から高い支持を得ている。

「ニュースの英語PLUS」の魅力と多賀氏の評価

「ニュースの英語PLUS」は、英文ニュース記事とその和訳、さらに英語表現の解説を掲載する学習コーナーだ。多賀氏は「ここに出てくる語彙が全部わかれば、日本の政治学者よりレベルが高い」と絶賛する。同氏は外交官時代の経験を生かし、コーナーの内容に加えて、関連する表現や文法、歴史的背景をまとめた補足メモを作成し、講座で配布している。このメモは受講者に大好評だという。

ユニークな語源解説で深い理解を促す

多賀氏の解説は独特だ。例えば「This Shinkansen is bound for Tokyo(この新幹線は東京行きです)」という文の「be bound for」について、同氏は「上空からドローンでこの新幹線を見たとします。新幹線は16両ががっちりつながってレールから外れることなく走っているでしょう。レールと車両編成にbind(縛る)されているから、その受け身の過去分詞boundなんです」と説明。さらに「forは前向きなイメージの前置詞なので、決して否定的に縛られているのではなく、あらかじめ決められた目的地に向かっている意味になる」とユニークな解説を加える。このように、英語記事の表現を掘り下げ、時にフランス語、ドイツ語、ラテン語も交えながら懇々と説明するスタイルが特徴だ。

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多賀氏の英語学習遍歴

三重県松阪市出身の多賀氏は、名古屋市の東海中学・高校に進学。そこで英語に熱中し、高校卒業時には約2万語を暗記したという。学生運動の影響で東京大学の受験がなかった1969年、一橋大学に現役合格。大学時代に奨学金を得て米国の大学に1年間留学したが、本場の英語に触れ、自身の英語力の不足を痛感した。その後、外交官試験に合格し、英国ケンブリッジ大学で法学修士号を取得した。

「read」の本当の意味とは

多賀氏はケンブリッジ留学中、下宿先のおばさんに「What are you going to read?」と聞かれ、「何を読みますか」という意味だと思い、イギリスの週刊誌の名前を答えたところ、相手は「そうじゃないんだよな」という表情を浮かべたという。後に、この「read」はケンブリッジなど英国の名門大学では「専攻する」という意味だと知った。外交官としてデビュー後も、こうした英語経験を重ね、「各国の外交官たちの英語表現を武器にした知的戦闘」と形容する国際会議の舞台で活躍した。

ものまねが英語上達に役立つ理由

意外にも、多賀氏はものまねが得意だ。外務省時代には、米国のニュースキャスターのものまねを披露し、同僚を笑わせていたという。しかし、それには英語上達という目的もあった。多賀氏は「いわゆるカタカナ英語で覚えてしまった『誤った音の記憶』を修正することが大切」と指摘。まずは関心のある分野について、ネイティブが読む英語を丸暗記し、それを声に出してものまねし、自分の会話や文章で使ってみることが重要だと説く。

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文法の重要性とJNの活用法

多賀氏は「文法や構文の基礎がないまま海外に出ても、発音が多少良くなる程度で、深い理解には至らない」と述べ、一定レベル以上の英語力を身につけるには文法をしっかり学ぶことの大切さを強調する。JNのホームページでは、英字新聞購読者なら誰でも無料で登録できるプレミアム会員を対象に、記事の音声を聞くことができる。紙面では日英両言語で社説が毎日掲載されるほか、毎週木曜・金曜掲載の学習コーナー「Learning Lab」では、「ニュースの英語PLUS」のほか、読者参加型の翻訳コンテストなど多彩なコンテンツが用意されており、生きた英語を継続的に学べる環境が整っている。